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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第6章 禁断の恋
「どうした風間?また具合が悪いのか?家に、他に誰かいないのか?」

「私は、大丈夫……です。でも、お兄ちゃん……が……お兄ちゃんが……」

「え?」

「さっき、お兄ちゃんが帰ってきて……でも、私……お兄ちゃん……嫌い……大嫌いなんです……!だって……殺されちゃうものっ!お母さんみたいにっ!大嫌い!あのひと、大嫌いなんです!助けてっ、八反田さん!」

そうだよ、私、このままじゃ、お兄ちゃんに……。
殺されてしまうかもしれないの……。

思ったとき、思い出したくもないある過去の映像が流れ込んできた。
お兄ちゃんが、私のお母さんを無理矢理組み敷いたこと。
お兄ちゃんは、私のことが好きだった訳じゃなく、本当は私のお母さんに夢中だったこと。

「……八反田さん……私お兄ちゃんと居たくない……。この部屋に居たくない!私、お兄ちゃんと一緒のお家に居たくないよ……!」

パニックを起こしてしまったのは、きっとさっきまでいやらしい行為をしていたせいもあるのかな。
昂ぶっていた感情のまま突然恐怖に支配され、理性が行き場を失っているせいだ。

「………みゆり、今、行くから。そこから動くな。部屋に鍵はあるのか?あるなら俺がいいって言うまで締めておけ。部屋から一歩も出るなよ。分かったな」

すぐに私の様子がおかしいと判断した八反田さんは、仕事中のときみたく声を落ち着けながら私にそう言って、電話を切った。
早く来て、八反田さん。
お兄ちゃんが怖いよ。
おにいちゃんが、こわい。
だいきらい。
震えた躰と止まらない涙。
きっとその時私は、時限から逸脱していたの。
全てが宙に浮く感覚がしていた。
どれくらい経過したのか、再びスマホから八反田さんの声がした。

「着いたぞ。下にいるから降りてこい」
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