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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第6章 禁断の恋

「八反田さん……ごめんなさい」
困らせてごめんなさい。
届けられなかった言葉をネクタイに念じ込めて、それを両手で握りしめた。
丁度そのまばたきの間だった。
ダンスに失敗して勢いよくお尻から倒れてしまった時のような、何かドスンと落ちる音。
それに驚き振り返った。
次いで、
「いたた……ちょっと、あんたが押すから……」
なんてこそこそしているとは到底思えない苛つきを露わにした女の子の声が聞こえてきた。
「ごめんごめん」
そう返すのは男の声。
「ごめんじゃないわよ!ゼッタイばれた!ゼッタイばれたから!」
焦ったようにも怒ったようにも聞こえるキャンディな甘い声。
小悪魔を彷彿させるそれには聞き覚えがある。
そう、歌を歌えば華のようともてはやされ、ダンスを躍れば蝶のようと絶賛されてはいるが、それはタバコの吸い過ぎで作られた単純な皺枯れ声の恩恵的ハスキーボイスなだけで、モデルのようなスタイルは単に食わず嫌いからなる結果論として生まれた国民的アイドルの金の卵。
一見、機材置き場と化している間仕切りの向こう側、セクシーなカモシカの脚が覗くその向こう側。
あなたはそんなところで何をしているんですか?
「大前さん……」
「やっぱりバレた……終わったわ……本当終わったわ」
八反田さんも先程、地球が滅亡したんじゃないかみたいな衝撃的な絶望に満ちた顔をしていたけれど、この人も似たように頭に手を当てて同じくらいうなだれていた。
ブリリアントとは程遠い今の状態の彼女。
でも八反田さんと違うのは、この人の後ろには、銀髪の見目の麗しい容姿と、深い霧を纏った渓谷色の瞳をした男の子が寄り添っていることだった。
「大丈夫だよ、くるみ。だって僕達も同じように弱味握ってんだからさ」
無邪気に言いのけた男の子は、ほぼ全部脱げかけた洋服を彫刻美の体躯に絡ませ、神秘的な顔立ちとは裏腹に悪戯に微笑んでみせた。
困らせてごめんなさい。
届けられなかった言葉をネクタイに念じ込めて、それを両手で握りしめた。
丁度そのまばたきの間だった。
ダンスに失敗して勢いよくお尻から倒れてしまった時のような、何かドスンと落ちる音。
それに驚き振り返った。
次いで、
「いたた……ちょっと、あんたが押すから……」
なんてこそこそしているとは到底思えない苛つきを露わにした女の子の声が聞こえてきた。
「ごめんごめん」
そう返すのは男の声。
「ごめんじゃないわよ!ゼッタイばれた!ゼッタイばれたから!」
焦ったようにも怒ったようにも聞こえるキャンディな甘い声。
小悪魔を彷彿させるそれには聞き覚えがある。
そう、歌を歌えば華のようともてはやされ、ダンスを躍れば蝶のようと絶賛されてはいるが、それはタバコの吸い過ぎで作られた単純な皺枯れ声の恩恵的ハスキーボイスなだけで、モデルのようなスタイルは単に食わず嫌いからなる結果論として生まれた国民的アイドルの金の卵。
一見、機材置き場と化している間仕切りの向こう側、セクシーなカモシカの脚が覗くその向こう側。
あなたはそんなところで何をしているんですか?
「大前さん……」
「やっぱりバレた……終わったわ……本当終わったわ」
八反田さんも先程、地球が滅亡したんじゃないかみたいな衝撃的な絶望に満ちた顔をしていたけれど、この人も似たように頭に手を当てて同じくらいうなだれていた。
ブリリアントとは程遠い今の状態の彼女。
でも八反田さんと違うのは、この人の後ろには、銀髪の見目の麗しい容姿と、深い霧を纏った渓谷色の瞳をした男の子が寄り添っていることだった。
「大丈夫だよ、くるみ。だって僕達も同じように弱味握ってんだからさ」
無邪気に言いのけた男の子は、ほぼ全部脱げかけた洋服を彫刻美の体躯に絡ませ、神秘的な顔立ちとは裏腹に悪戯に微笑んでみせた。

