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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第6章 禁断の恋

その彼が、私に向かってスマホを振る。
ニヤニヤとした粘っこい笑顔も、気持ち悪くならないのは天性の美貌ゆえにだろう。
でも仕方がないと思う。
だって、この人は。
るかちゃんが大好きな、私達が決して手の届くことのない、月のような存在――。
ポニーズ事務所のイケメン筆頭、アイドルユニットsilverのknifeさんなんだから……。
「ちょっと、海霧!どいて!いい加減、重いっ!」
私でも知っているこのknifeさんの頭をはたき、バカだとかアホだとか罵声を浴びせている大前さん。
彼女もまた、ほとんど何も着ていないと言えるような出で立ちのまま、涙目で騒ぎ立てていた。
いつもの自信に満ちた、飄々とした態度とは360℃打って代わって、今は全身全霊間違いなくアイドルのような顔つき、身振り手振り。
ファンじゃなくとも私ですら魅入ってしまったあられもない格好は、それだけで一大スキャンダルだと思った。
「あの、ああああのっ!」
何も言葉にならない私は、上ずった声だけで、その場の状況を素早く飲みこうと必死だった。
だってこれはつまり!!
「風間みゆりちゃん」
knifeさんは私を、おそらく星の欠片の混じっているであろう眼差しで、空間に縛り付けた。
逃げられないと寸時に思った。
「風間みゆりちゃん、僕は君のこと知ってるよ。僕の彼女を傷付ける、張本人だから」
僕の彼女? 傷付ける?
それって私が大前さんを悲しませてるって意味だよね?
私、そんなことしたつもりは……。
「ようやく手に入れた次世代アイドルグループのセンターの座を奪おうとしている、クーデター女。くるみの敵は、僕の敵だよ」
knifeさんは大前さんに自分の着ていたシャツをかけ、私の前に立ちはだかった。
上半身裸ってやつだ。
るかちゃんなら、こんな状況下でも、黄色い声でテンション上げられるのかな?
「取引きをしよう」
彼は続けた。
「君がdolceの店長と一緒にいて、一大決心をぶつけたこと、黙っていてあげる。その代わり……」
ニヤニヤとした粘っこい笑顔も、気持ち悪くならないのは天性の美貌ゆえにだろう。
でも仕方がないと思う。
だって、この人は。
るかちゃんが大好きな、私達が決して手の届くことのない、月のような存在――。
ポニーズ事務所のイケメン筆頭、アイドルユニットsilverのknifeさんなんだから……。
「ちょっと、海霧!どいて!いい加減、重いっ!」
私でも知っているこのknifeさんの頭をはたき、バカだとかアホだとか罵声を浴びせている大前さん。
彼女もまた、ほとんど何も着ていないと言えるような出で立ちのまま、涙目で騒ぎ立てていた。
いつもの自信に満ちた、飄々とした態度とは360℃打って代わって、今は全身全霊間違いなくアイドルのような顔つき、身振り手振り。
ファンじゃなくとも私ですら魅入ってしまったあられもない格好は、それだけで一大スキャンダルだと思った。
「あの、ああああのっ!」
何も言葉にならない私は、上ずった声だけで、その場の状況を素早く飲みこうと必死だった。
だってこれはつまり!!
「風間みゆりちゃん」
knifeさんは私を、おそらく星の欠片の混じっているであろう眼差しで、空間に縛り付けた。
逃げられないと寸時に思った。
「風間みゆりちゃん、僕は君のこと知ってるよ。僕の彼女を傷付ける、張本人だから」
僕の彼女? 傷付ける?
それって私が大前さんを悲しませてるって意味だよね?
私、そんなことしたつもりは……。
「ようやく手に入れた次世代アイドルグループのセンターの座を奪おうとしている、クーデター女。くるみの敵は、僕の敵だよ」
knifeさんは大前さんに自分の着ていたシャツをかけ、私の前に立ちはだかった。
上半身裸ってやつだ。
るかちゃんなら、こんな状況下でも、黄色い声でテンション上げられるのかな?
「取引きをしよう」
彼は続けた。
「君がdolceの店長と一緒にいて、一大決心をぶつけたこと、黙っていてあげる。その代わり……」

