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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第6章 禁断の恋

knifeさんが私の耳に唇を寄せる。
折角八反田さんの良い声で染まっていたのに……。
一瞬で塗りつぶされた。
ファンなら卒倒ものの、このドラマのワンシーンみたいな動作も、私にはただただ悲しいものでしかなかった。
「僕達の秘密も、黙っていてよ」
何を言われるかは予測していたから、これには何も驚いたりしない。
だから私が悲しいのはそんなことじゃない……。
「だめ。八反田さんに嘘はつけないもん」
ただこの一言に尽きる。
困ったことがあったら、すぐに相談してください。必ず力になりますから。
そう言ってくれた、私の大好きな八反田さん。
彼にこの事件を相談しないなんて、私には出来ない。
けど……。
「いいのかなぁ?さっきの全部、動画に撮っておいたんだけど。これ、つぶやいたーと0ちゃんねるに投下しちゃって……あの人が店長という立場を忘れて、みゆりちゃんに悪戯してるとこ、ばっちり収めちゃってるんだよねぇ」
もし、それが広まったら、八反田さんはどうなっちゃうんだろう。
確実に今の立場のままではいられないことくらいは想像がついた。
「お互いさ、黙っていたら、良いこと尽くめな気がしない?」
私の肩に手をおいて、甘い誘惑をするこの人は、まるで悪魔の頭領みたいに慣れた風だ。
私は大前さんを見下ろした。
彼女はさっと目を背け、渋い顔を終始押し通していた。
「黙っていてくれたら、僕達は君のこと応援してあげるよ。こういうの、誰にも言えないと辛いだろ?」
確かに、ばれてしまった2人には、決して口に出せなかった八反田さんへの想いを貫くことができる。
言葉にするだけで、肩の荷が下りることがままある。
電話の、偽物の八反田さんに、甘えるみたいに。
「答えは君に任せるよ。僕達はこのままここにいるからさ。よく考えてね」
じゃ!っとバラエティ番組でみせる無邪気な笑顔も、私にとっては末恐ろしい怪物の邪悪にしか見えなかった。
暫くもせず、廊下から私の耳まで、八反田さんの革靴の音が届けられた。
予想通り、一度閉じられたドアが開く。
八反田さんが顔を覗かせた。
折角八反田さんの良い声で染まっていたのに……。
一瞬で塗りつぶされた。
ファンなら卒倒ものの、このドラマのワンシーンみたいな動作も、私にはただただ悲しいものでしかなかった。
「僕達の秘密も、黙っていてよ」
何を言われるかは予測していたから、これには何も驚いたりしない。
だから私が悲しいのはそんなことじゃない……。
「だめ。八反田さんに嘘はつけないもん」
ただこの一言に尽きる。
困ったことがあったら、すぐに相談してください。必ず力になりますから。
そう言ってくれた、私の大好きな八反田さん。
彼にこの事件を相談しないなんて、私には出来ない。
けど……。
「いいのかなぁ?さっきの全部、動画に撮っておいたんだけど。これ、つぶやいたーと0ちゃんねるに投下しちゃって……あの人が店長という立場を忘れて、みゆりちゃんに悪戯してるとこ、ばっちり収めちゃってるんだよねぇ」
もし、それが広まったら、八反田さんはどうなっちゃうんだろう。
確実に今の立場のままではいられないことくらいは想像がついた。
「お互いさ、黙っていたら、良いこと尽くめな気がしない?」
私の肩に手をおいて、甘い誘惑をするこの人は、まるで悪魔の頭領みたいに慣れた風だ。
私は大前さんを見下ろした。
彼女はさっと目を背け、渋い顔を終始押し通していた。
「黙っていてくれたら、僕達は君のこと応援してあげるよ。こういうの、誰にも言えないと辛いだろ?」
確かに、ばれてしまった2人には、決して口に出せなかった八反田さんへの想いを貫くことができる。
言葉にするだけで、肩の荷が下りることがままある。
電話の、偽物の八反田さんに、甘えるみたいに。
「答えは君に任せるよ。僕達はこのままここにいるからさ。よく考えてね」
じゃ!っとバラエティ番組でみせる無邪気な笑顔も、私にとっては末恐ろしい怪物の邪悪にしか見えなかった。
暫くもせず、廊下から私の耳まで、八反田さんの革靴の音が届けられた。
予想通り、一度閉じられたドアが開く。
八反田さんが顔を覗かせた。

