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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第6章 禁断の恋
きっと、ここで、大人の女の人なら、常識のある子供なら、あれは嘘ですって、言うんだと思った。
八反田さんなんか、好きじゃない。
からかっただけなんだって。
それで、大前さんの後ろ、陰の悪魔のことも全部バラして、そして夢の階段を昇り続けるんだと思った。
でもね、八反田さん。
どうしても、私、そこだけは嘘をつけない。

――私が八反田さんを好きなこと――

それだけは。
どうしても。
その気持ちを伝えた上で、貴方が私の気持ちを受け止めてくれるなら。
私、アイドルの夢を、捨てたって構わない。

「私も、嬉しいです」

八反田さんの膝の上、彼よりちょっと高い位置から視線を送って、心からそう言って笑った。
すると、八反田さんも、切ない表情のまま、笑ってくれた。

「ありがとう、みゆり。でも、これ以上は、やっぱり……すみません」

真実を映し出すスマートフォン。
別に撮られたって構わない。
八反田さんが、私を望むなら。
私を求めてくれるなら。
たったこれだけでも、私の気持ちを認めてくれるなら、私、八反田さんのこと、ちゃんと守ってみせる。

「わかりました。でも、これからも、優しくして欲しいです……。お仕事なんかのことじゃなくて……。こうやって、ふたりっきりのとき……。誰にも言わないから……」

彼のサラサラの髪に頬を寄せる。
八反田さんは嫌がったりせず、私の胸の間から、

「すみません……すみません……」

二回続けて謝った。

「駄目です!謝ったりなんてしちゃ!八反田さんは、何も悪いことしてないのに!」

だから私は、彼の肩を掴み直して勢いをつけた。
八反田さんは、

「そう、ですか……。そうですね……」

浮かない顔だったけれど、私をずっと見つめてくれていた。

「前髪、どうしたんですか?濡れてます」

照れ隠しもあって、話を逸らせた。
彼の前髪を右手で選り分けて確認してみる。
八反田さんのおでこ。
普段はおろした前髪に隠れているからまともに見ることもない場所。
きっと超絶レアな箇所に違いない。
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