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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第6章 禁断の恋

「ああ、さっき顔を洗ってきたんで……。そのせいです。全然、冷えませんでしたけどね」

八反田さんは視線だけを上げて、自分のおでこを気にする素振りをしてみせる。
その仕草が、ますます可愛いくてドキドキする。

「そう、なんですか?……ふふ、八反田さん、おでこ出すと可愛らしくなっちゃいますね。高校生みたい」

「童顔なんですよ……こんな顔立ちなのに意味もなく。気にしてるんですから笑わないで下さい……」

もうやめなさいと怒られて、はぁいと手を離す。
スルスルと元に戻る前髪。
私は少しパーマが強いからこんなに綺麗な髪、本当に羨ましい。
私には無いものをこの人はたくさん持ってるんだなぁ。

「私、八反田さんの顔、好きですよ。カッコイイもん」

「おい……こんなブオトコに向かって、なんて冗談言うんですか……」

それはいくらなんでも……と八反田さんは苦笑して、私の頭を撫でた。
嘘でも嬉しいと言いたげだ。

「え?冗談じゃないです」

だから、私は真剣に八反田さんを見つめ直す。

「え?」

「え?」

きょとんって音が私達の頭上に落ちてきた。
ここまで言っても分からないなんて、八反田さんは自分の容姿に完全に自信を失っているのかも。
そんなことないんだけどなぁ。
私は動揺する八反田さんの左手を掴んで、手を絡ませた。

「ねえねえ、八反田さん、あのね?私、八反田さんのこと凄くカッコイイなって思ってます。すごくタイプです。目付きの悪いとこも、分厚い唇も、ちょっと痩けた頬も、可愛くて、かっこいいです!!」

「それ、褒めてるんですか?」

「もちろん!あと躰もですよ。細いのに、逞しいところも。八反田さんの全部が好きです」

もう、大前さん達に何を言われてもいいか。
ふと、そんな風に覚悟を決めた。
私が八反田さんを好きで好きでしょーがないのは、もう変わらぬ事実なんだし。
八反田さんは、これ以上私に何もする気なんてないみたいだし。
バラされたら、その時は全部、ビッチで性格わるな私が誘惑したことにすればいいだけの話しだもん。
すると、八反田さんは私の頭を撫でていた手をあの時みたいに頬に滑らせた。
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