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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第6章 禁断の恋
それは、私が初めて八反田さんの前で倒れたときと同じ……病院のベッドの上、流してしまった涙を八反田さんが拭おうとしてくれたときと、同じ仕草だった。
あの時は、るかちゃんと早坂さんが居たからか、配慮を利かせて私の頬に触れることはなかったけれど。
今は……。

「そんなに私を想って下さるなんて、嬉しいですよ……ほんとに、嬉しいです」

涙なんて流れてないのに、親指で私のほっぺを撫ででくれる。
ふにふにっと柔肉をマッサージされてる。
気持ちいい……。
八反田さんからの愛撫がこんなにも。
もっと触って欲しい。
早くもっとエッチで敏感なところも……。

「そんなにうっとりされると、男冥利に尽きますね」

「だって気持ちいいんです……」

はぁ……と目を瞑って、八反田さんの掌の温度に身を委ねる。
首筋を残りの指で撫でられる。

「みゆりは仔猫みたいだなぁ」

言われて、事実そうだったらよかったのにと考えた。
そしたら、八反田さんのお家にペットとして招かれて、誰にも文句なんか言われず可愛がって貰えたのに。
そこまで考えて、やっぱりやめた。
だってそしたら、八反田さんと一生エッチ出来ないもんね。
あ、でも待って。
エッチなペットなら、なってみたいなぁ。

「にゃにゃーん!そしたら私、八反田さんに飼われたいです」

「うーん、飼ってあげたいのはやまやまですがねぇ……」

「じゃあ家族には内緒で!」

「見つかったらタダじゃ済まないので」

「見つかりませんよ」

「保証は出来ないだろ」

「いいもん、そしたら私、他の人の飼い猫になるもん」

嘘でも首を縦に振ってくれないこの人に、少し意地悪を言ってみたかっただけ。
なのに途端に寂しそうな顔をして苦笑するなんて。

「良い飼い主が見付かることを祈ってますよ」

ずるいよ……。
それじゃあ私、一生誰の飼い猫にもなれないままじゃないですか……。

「じゃあそれまで私、野良猫だから、見付かるまで餌だけちょーだい?」

甘え声でしっとり見つめ直す。
八反田さんの膝の上、ブラウスのボタンにゆっくり手をかけた。
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