この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第6章 禁断の恋

「めちゃくちゃ、糸、引いてますね……」
親指と人差し指を何度も合わせては離す。
その度に白い粘液が後を追う。
「八反田さん、あの!」
「キスぐらい、してあげたいのですけどね」
言い訳をしたいわたしを八反田さんは制した。
「それと、そこの2人も、ちょっといいか。もう、終わったんだから、いいだろ?」
そして八反田さんは私をソファに待機させたまま、パーテーションに近づき、思い切り開いた。
「ああ、バレちゃってた?」
「とっくにだ。お前ら2人ともケータイかせ」
「ケータイだって。おっさん古ぃよ」
「古くて結構。はやく出せ」
「仕方ねぇなぁ。でもくるみのスマホは真っ白だぜ。本当だ。だから簡便してくれよ」
「dolce、辞めたいか?大前」
私の座る位置からも、大前さんがはっきり首を振るのが見えた。
彼女はもう、何も着ていなかった。
「ちっ」
そうしてknifeさんは、不機嫌極まりない表情で、八反田さんにスマホを叩きつけた。
「おら、持ってけよ、おっさん」
八反田さんは無言で、床に落ちたスマホを拾った。
大前さんが、さっきまで着ていた洋服を体に巻き付け、八反田さんにスマホを手渡した。
「ごめんなさい」
そう口にした彼女は泣いていた。
「10分で戻る。それまでお前ら2人は何処かに消えろ。今日のことは全員、何もしらない、何もなかった……それでいいだろ?」
八反田さんは溜息をつき、またドアに向かった。
「何処に行くんですか?」
ソファの上から、私は慌てて尋ねた。
帰っちゃったらやだよ……。
でもそれは、私の早とちりだったみたい。
「それをお前が聞くか?」
鼻で笑った八反田さんは、指に絡みついたベタベタを私の目の前に翳した。
うっと、息が詰まる。
「まあ……すぐ戻りますよ」
そうして片手に収めた二台のスマホを眺めて、肩をすくめた八反田さんだけれど。
すぐに彼はもう片方の汚れた手を……。
「なんだよあのおっさんが、一番変態じゃねぇかよ……」

