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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第6章 禁断の恋

「めちゃくちゃ、糸、引いてますね……」

親指と人差し指を何度も合わせては離す。
その度に白い粘液が後を追う。

「八反田さん、あの!」

「キスぐらい、してあげたいのですけどね」

言い訳をしたいわたしを八反田さんは制した。

「それと、そこの2人も、ちょっといいか。もう、終わったんだから、いいだろ?」

そして八反田さんは私をソファに待機させたまま、パーテーションに近づき、思い切り開いた。

「ああ、バレちゃってた?」

「とっくにだ。お前ら2人ともケータイかせ」

「ケータイだって。おっさん古ぃよ」

「古くて結構。はやく出せ」

「仕方ねぇなぁ。でもくるみのスマホは真っ白だぜ。本当だ。だから簡便してくれよ」

「dolce、辞めたいか?大前」

私の座る位置からも、大前さんがはっきり首を振るのが見えた。
彼女はもう、何も着ていなかった。

「ちっ」

そうしてknifeさんは、不機嫌極まりない表情で、八反田さんにスマホを叩きつけた。

「おら、持ってけよ、おっさん」

八反田さんは無言で、床に落ちたスマホを拾った。
大前さんが、さっきまで着ていた洋服を体に巻き付け、八反田さんにスマホを手渡した。

「ごめんなさい」

そう口にした彼女は泣いていた。

「10分で戻る。それまでお前ら2人は何処かに消えろ。今日のことは全員、何もしらない、何もなかった……それでいいだろ?」

八反田さんは溜息をつき、またドアに向かった。

「何処に行くんですか?」

ソファの上から、私は慌てて尋ねた。
帰っちゃったらやだよ……。
でもそれは、私の早とちりだったみたい。

「それをお前が聞くか?」

鼻で笑った八反田さんは、指に絡みついたベタベタを私の目の前に翳した。
うっと、息が詰まる。

「まあ……すぐ戻りますよ」

そうして片手に収めた二台のスマホを眺めて、肩をすくめた八反田さんだけれど。
すぐに彼はもう片方の汚れた手を……。

「なんだよあのおっさんが、一番変態じゃねぇかよ……」
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