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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第2章 原因は黒いパーカーでした
「と、ともかく……」
八反田さんが咳払いをして。
「今日は忘れてないよな?」
なんて確認してきたから、
「はい!」
満面の笑みで答えた。
「なら、いいです」
頷くような視線が絡んだ。
そして、そのまま会話を切り上げるように事務室へ向かった八反田さん。
淋しくて後をついていくと、昨日まではなかったスチールラックやら大型のコピー機やら電話機などが置いてある。
あと冷蔵庫やストッカーも。
本当に、もうすぐ開店するんだ。
「みゆり、着替えよ?」
「あ、うん、るかちゃん先行ってて?」
私がそう言うと、るかちゃんは私の顔を食い入るように見つめて、え、まじで?まじで?と声に出さずに言った。
コクンと頷くと、今度は八反田さんの横顔と私を何度も見比べた。
るかちゃん本当に失礼だってば。
そして、ようやく観念したように、黙って私の肩を叩き、スタッフルームへと向かったるかちゃんを見届けてから、私は意を決して事務室に入った。
「失礼します」
「はい」
八反田さんは振り向かなかった。
振り向かずパソコンと睨めっこしている。
横顔も素敵……!
「あの、これ昨日借りたお洋服……」
「ああ、どこかその辺りに置いておいて下さい」
さっきとはもうすっかり顔付きが違う。
話しかけてもずっとパソコンと向かい合って、こちらを見ようともしない。
「あの、八反田さん……」
「まだ、何か用ですか?」
キーボードをかたかたと鳴らしながら、八反田さんは答えた。
なんだかお仕事の邪魔みたい。
「……いえ、あの……なんでもない、です」
お礼を言いたかっただけなのに、なんだか拒否されているみたいで辛くなった。
パーカーのことも、聞きたかったのに……。
もう少し借りてて良いですかって。
暫し無言の間。
というのも居た堪れないから、やっぱり仕方なく一方的に話すことにした。
「あの……言いにくいんですが……実はパーカーだけ、クリーニング出し損ねてしまって……」
まさか、おなにーのオカズにしたくて……なんて言える訳はない。
でも、嘘をついた訳でもない。
はず。
八反田さんが咳払いをして。
「今日は忘れてないよな?」
なんて確認してきたから、
「はい!」
満面の笑みで答えた。
「なら、いいです」
頷くような視線が絡んだ。
そして、そのまま会話を切り上げるように事務室へ向かった八反田さん。
淋しくて後をついていくと、昨日まではなかったスチールラックやら大型のコピー機やら電話機などが置いてある。
あと冷蔵庫やストッカーも。
本当に、もうすぐ開店するんだ。
「みゆり、着替えよ?」
「あ、うん、るかちゃん先行ってて?」
私がそう言うと、るかちゃんは私の顔を食い入るように見つめて、え、まじで?まじで?と声に出さずに言った。
コクンと頷くと、今度は八反田さんの横顔と私を何度も見比べた。
るかちゃん本当に失礼だってば。
そして、ようやく観念したように、黙って私の肩を叩き、スタッフルームへと向かったるかちゃんを見届けてから、私は意を決して事務室に入った。
「失礼します」
「はい」
八反田さんは振り向かなかった。
振り向かずパソコンと睨めっこしている。
横顔も素敵……!
「あの、これ昨日借りたお洋服……」
「ああ、どこかその辺りに置いておいて下さい」
さっきとはもうすっかり顔付きが違う。
話しかけてもずっとパソコンと向かい合って、こちらを見ようともしない。
「あの、八反田さん……」
「まだ、何か用ですか?」
キーボードをかたかたと鳴らしながら、八反田さんは答えた。
なんだかお仕事の邪魔みたい。
「……いえ、あの……なんでもない、です」
お礼を言いたかっただけなのに、なんだか拒否されているみたいで辛くなった。
パーカーのことも、聞きたかったのに……。
もう少し借りてて良いですかって。
暫し無言の間。
というのも居た堪れないから、やっぱり仕方なく一方的に話すことにした。
「あの……言いにくいんですが……実はパーカーだけ、クリーニング出し損ねてしまって……」
まさか、おなにーのオカズにしたくて……なんて言える訳はない。
でも、嘘をついた訳でもない。
はず。