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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第2章 原因は黒いパーカーでした
「そうですか、別に気にせずとも平気ですよ。こちらで洗えば済む事ですし」

「すみません……私、忘れてばっかですね」

「ワザとなんですか?」

「ち、ちがいます!昨日のは本当に忘れて……」

「ではパーカーはワザとクリーニングし忘れたんですね」

「そ、それは……」

「ああ、もしかして一緒に寝てたりしたんですか?……なんて」

「うぇ」

「うぇ?」

そこでようやく八反田さんがパソコンから目を離してこちらを見てくれた。
きっと冗談のつもりで言ったんだと思う。
俺に対してそんなことあるはずないって考えてるんだ。
……だけど……。
……だけど私は……。

「八反田さんのバカー!!」

「なっ……」

全部知られたような気がして、恥ずかしくてついつい思ってもない言葉が出た。
しかもパーカー投げ付けてしまった。
最悪だ。
最悪だ……。

「終わった……」

スタッフルームの扉を開け、ゲッソリ顏でるかちゃんの隣に座った。

「え?終わった?早かったねー。やっぱあの店長早漏だったか……」

化粧を直しながら、るかちゃんが言う。

「そうじゃないよ……人生終わったってこと……」

「なんでよ?みゆりみたいに可愛くておっぱいでっかかったら勝ち組でしょ?なに、八反田の奴そんなに下手っぴだったの?」

「だから、違うよぉ〜」

「いいなぁ、みゆりは……私より先にバージン卒業しちゃって〜!」

「だ、だから違うよぉ〜!それに八反田さんとあんな短時間に何もないよぉ〜!私はまだ処女!!」

と大きな声を出したとき、

「風間、ちょっといいか……」

八反田さんがスタッフルームのドアから覗き込んでいた。
なんだかちょっと気まずそう。
ちゃんとノックはしましたよ、と言わんばかりに、右手がまだ形を残したままドアに添えられている。

「お、2回戦目か!良かったじゃんみゆり!」

「るかちゃん!もう!違うってばぁ!」

「……流川、言っとくが俺はなぁ、どちらかっていうとスローセックス派だぞ」

ふふんと、してやったりな顏をした八反田さん。
るかちゃんは悔しそうな顏をして、チッ、と舌打ちだけした。
2人って、なんだか仲良しだなぁ……。
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