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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第7章 おなにぃ中毒
「は、何それ?」

「本物の八反田さんに言われたんです。オナ禁止って。だから、約束、守りたいから、ダメッ!!」

「フーン……あっそう」

あ、この感じ、全然分かってくれてない人の声だ。

「でも俺には関係ないね」

やっぱりかぁ。
ちょっと頭痛がしてきた。
なのに彼は、大丈夫、俺のオカズになってくれるだけでいいからと私を誘惑してくる。
でも、そんなのダメ。
だって、私、この人のヤラシイ声を聞いてたら、絶対一緒にしたくなっちゃうもの。

「私が我慢してるのに、一人でするんですか?」

「そうだよ」

「一緒に我慢してくれないの?」

「俺には関係ない話だろ」

「ふーん、そうですか……。じゃあ私、もうあなたとは連絡しませんから」

そこまでふて腐れて言い切ると、ようやく電話口の相手は息を飲むように声を落ち着けた。

「……どうして?」

考えて、ずっと思っていたことをようやく言葉にする。
少しずつ、この人との関係も変えていきたい。

「本物の八反田さんのが大事だから。あなたが実は本物の八反田さんだって言うなら、話は別ですけど……」

電話の主は急にそれ以上を押し黙った。
何かを思案しているのか、呼吸音だけがやたら静かに聞こえてくる。
やがて、考えあぐねたのか、彼は言った。

「俺ともう、話さなくても平気なの?」

「残念だけど……どうせあなたは偽者です」

これで、二回もチャンスをあげたことになる。
私からはもう何も言うことはないと思う。
だって、何故なら……もしあなたが本人だったなら……。

「待ちなさい……。憶測で結論づける癖があるのなら直した方がいいぞ。……でも分かった。俺も我慢するよ。せっかくみゆりと仲良くなれたのに、唐突に拒否されるのは辛い」

ちゃんと否定するでしょ?
くるみちゃんの言うとおり、伝えたいことをその場でハッキリ口にする人だって、思うから。
私とは間逆の人。
だからきっとこんなにも惹かれるの。
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