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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第8章 躰の疼き……
「とげるが……この前は悪いことしたって」
そう言って一輪のバラを差し出す彼はまるで異国の王子様みたいだ。
実際お金持ちらしいしね。
「とげるって、嶋くん?」
そもそも学校にお迎えがあるくらいだ。
その彼はコクリと頷いた。
「嶋くんから何聞いたの?」
「……嫌がる風間さんの躰を触ったって……」
王子様は目を逸らさなかった。
「ああ、別に気にしてないから」
電車内では良くあることだし、とは言わなかった。
だけど黒咲くんは私に告げた。
「いつも官能小説読んでるもんね」
そうなのだ。
彼は私が特異な生理現象の持ち主だということを知っている。
告白されたとき、いつも何を読んでるのか聞かれた。
嘘をつこうと思ったけど、告白してくれた人にそれはどうかと考えて……だから素直に応えたのだ。
黙って手渡せば、彼は内容にじたばた藻搔くかと期待したのに、そうでもない。
「オレの浮かべてた想像と違った。だけど、よけい惹かれるようになった」
そう言って顔色一つ変えずに、黒咲くんは目を逸らさず笑ってのけたのだ。
あれから1年、私達は殆ど会話をして来なかった。
なのに、久しぶりのキャッチボールがこれなんて……。
「オレも触ってみたい」
「は?ファンの子に頼みなよ」
「同い年とそれ以下に興味ないんだ」
「私もその興味ないはずの同い年だよ?」
「風間さんは、エロさが違うから、別」
「エロさって……私、意識したことない……あ、おっぱいのこと?」
「そう。エロいよ。躰付き」
「それ、褒めてる?」
「褒めてる。あんなに毎週痴漢されてるのに、嫌がらないところとか」
「知ってたの?」
「オレもたまに参加してたから」
「えっ!?じょ、冗談だよね?」
「さぁ」
真顔で答えた彼は、饒舌に話しを続ける。