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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第8章 躰の疼き……
「あのね、ちょっと相談があるの?」
「恋バナかい?」
「よく分かるね」
「オレとキミの共通点、今はそこしかないじゃないか」
なるほど、と思った。
彼はちょっと待っててと言い、軍手で大なり小なり虫と呼べるそれらを抹殺していった。
「うぇぇ、気持ち悪い」
「虫は嫌いかい?」
「……うん」
「じゃあますますオレとは付き合えないね、残念だよ。話が合いそうな同世代を初めて見つけたのに」
オレ虫飼ってるからね。
彼はちっとも残念そうじゃなく、笑みを浮かべて呟いた。
「終わったよ。行こうか」
誘われるままに付いていけば、校舎裏に待っていたのは、運転手付きのあからさまに高級そうな外車だった。
「おや、颯さん、浮気ですか?」
「この車に女の子を乗せたら、そうなるのかな?」
「さあ?それは奥様に伺ってみませんと……」
目尻に皺を寄せた白髪のお爺さんは、白い手袋を嵌めた手をふりふり、仏の顔の小皺を深めた。
「乗っていいよ。ちゃんと仕事先まで送るから」
黒咲くんは私を促し後部座席のドアを開けてくれた。
dolceのことちゃんと知ってるんだな。
「この車、黒咲くんの?」
「そうだけど。正確にはそうじゃない。言ったじゃん。オレ、セレブ妻と関わりがあるんだ。これはその恩賞みたいなもん」
「そ……そうなんだ……」
つまり買って貰ったってことなのかな?
す、すごい世界……。
「風間さんもこういうの欲しいなら紹介するけど。風間さんなら、相手、選び放題だよきっと」
冷めた口調で、小さなクーラーボックスからいちいち高そうな飲み物を取り出す。
ガラス瓶の飲み物のプルトップを捻る頃には、黒咲くんの高級外車は街中を悠々と走っていた。
「私は、好きな人がいるから……」
「そうみたいだね」
「でもその人結婚してるの。子供もいるんだよ」
「風間さんだったら余裕で落とせるだろ?」
「そうでもないから相談に来たの」
「真面目な人?」
「そう」
「それは厄介だね」
黒咲くんは、寒くない? とブランケットを私に寄越して、それと何処までヤッたのか私に尋ねた。
私はハイブランドのロゴが入ったやけに手触りの良いカシミヤだかシルクだかを受け取り包まりながら、
「お互いの躰を触るくらいまで……」
赤面して答えた。
恥ずかしい……。