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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第8章 躰の疼き……
黒咲くんはなおも笑顔で答える。
……守銭奴だったなんて知らなかった。
「近寄るなって言われてるんでしょ?仕事なら向こう側も拒否出来ないはずだよ。そこをつくんだよ」
感謝してくれたまえよ、と黒咲くんはもう私の好きな人が誰かを特定しているらしい。
「黒咲くん、なんでもう私の好きな人分かってるの?」
「ここに付いたとき、風間さん、誰かを探し始めたから。視線が落ち着いたなぁって思ったら、その先に男がいる。……あれ、dolceの店長でしょ?」
「そ、そうだけど……」
「とげるが、あのポジションうらやましいっていつも言ってるよ。アイドル全員とヤリまくれる最高の幸せ男に違いないって。……風間さんとヤレるなら案外本当なのかな?」
「ち、違うよ!八反田さんはそんな人じゃないんだから!」
私を挑発した黒咲くんは、分かり易すぎだねと空気を吐き出して私を優雅にからかった。
手練れの彼はもう私の人間性なんてとっくに暴いてしまったみたいだ。
「とりあえず行ってきなよ。金ならいくらでも出す……って伝えて。これなら何かしら動くだろうし。オレここで待ってるね」
そうして背を押されて送り出され、私は裏口からdolceに入らざるを得なくなる。
搬入口を回り後ろめたい気持ちを殺してホールへ顔をだす。
「あれ?みゆりおはよー。早いじゃない」
そうやって声をかけて来たのは、最後までお客様と笑顔で会話をしてお見送りを終えたくるみちゃんだった。
「お、おはよ、くるみちゃん……あ、あのね、ちょっと八反田さん呼んできて欲しいの……」
「え?」
「と、とりま外見て、外」
「外?」
くるみちゃんは私の手を引きホールへ戻ると、窓に近づき覗き込んだ。
決して短くはない彼女のスカートから、パンティーが零れそうになる。
振り返ると、八反田さんは見向きもせずレジのお金を精算していた。
「何!?あ、あれってもしかして、ベントレー?マイバッハ?ロールスロイス!?!?」
「く、くるみちゃん、静かに!静かに!!」
珍しくくるみちゃんが取り乱せば、他のスタッフも野次馬根性丸出しで窓を塞ぎ始めた。
4つもある大きな出窓が押し合いへし合い埋まる。
それだけ、dolceのメンバーは多いのだ。