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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第8章 躰の疼き……

「スゴーイ!高級車だよー!」

「中の人どんな人かな!?」

「私の水晶玉様はイケメンだとお告げしております!!」

「な、なんだとっ!?」

「巫部のスピリチュアル予想当たるからなぁ!」

「もしかしてあれみゆりちゃんの彼氏ー!?」

「ち、ちがうよ!そんなんじゃっ!」

「じゃ、ただの知り合いー!?」

「そ、それはそうだよ……」

「なんですって!そんなのいるなら早く言いなさいあんた!」

「く、くるみちゃんいはいよぉ……ほっぺ伸びひゃうよぉ……」

私達がそうやって騒ぎ立てると、八反田さんはすかさず声を荒げて叱咤するからどうしたってメンバーの嫌われ役になる。

「ぎゃあぎゃあうるさいぞお前達!!仕事はどうしたんだ!?」

これには皆げんなりした様子で、あーうるさい……だのまたブサイのがキレてるよ……だの、小声で日頃の鬱憤を小さくかましていた。
私は複雑な気持ちで苦笑いしてそれを受け流す。

「なんかみゆりちゃんが大金持ちの彼氏連れて来たみたいなんですよー」

メンバーの誰かがやっかみ交じりに口にする。
そんなんじゃないって言ってるのにっ!
その言葉を真に受けた八反田さんが今日初めて私を見た。
いや、睨み付けられたからメンバーに苛立つよりも怖じ気づくのが先だ。

「お、おはようございま……す……」

俯いて挨拶をする。

「あぁ」

とだけ素っ気なく返ってくる。
彼はそれきり一つ隣の窓に近づき、上体を軽く折り曲げて車を眺めた。
私の近くには今日も寄らないらしい。
窓枠の上と、横に、それぞれ長い腕を回し、なんだありゃ、と困惑する八反田さんを見てるだけで切ない。
なのにその下にいた巫部さんと海神さんは、八反田さんと触れるのが嫌そうにキモイキモイと口パクを繰り返した。

くるみちゃんは私に、アレって絶対わざとよねー……大人げない……と慰めをくれた。
でもそれってやっぱ、他人から見ても間違いなく私を避けてるってことだよね。

もう私なんて嫌いになっちゃったのかな……。

私が巫部さんと海神さんのとこにいたら、きっと今頃お尻で八反田さんの股間をぐりぐりして、気持ち良くなれたのに……。
って、そんなことばっか考えてるから、八反田さんに近寄るなって言われたんだ!
気を付けなくちゃ……と、頭を振ったところで、ようやく八反田さんに話しかけられた。
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