この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第8章 躰の疼き……
八反田さんは黒咲くんをじっと見詰めていた。
真実を暴こうとしているのだろう。
しかし黒咲くんも瞳を逸らすことはない。
「畏まりました。奥様は今、クアラルンプールに滞在中でございます。代表として、グループ懇意のアルプステレビジョンからスカーレットプロにご連絡を差し上げましょう。今、取り次いで参りますので、少々お時間くださいませ」
コロセウムで決闘が始まる前に、参千寺さんが両者の間に割って入った。
八反田さんはそこでようやく、何かを感じ入ったように一歩引いた。
「……分かりました。ではこちらでお待ち下さい」
右手を大きく広げた彼は、まだ次の案内が始まる前のdolceに黒咲くんと参千寺さんを引き入れた。
へばりつくように、窓にくっついていたメンバーが大慌てで2人を迎え入れる。
「よ、ようこそ、い、いらっしゃいませ!」
「大前、席を用意しなさい」
「そのつもりでもう一つ、先に用意してありますよ」
八反田さんは頷いて、どうぞこちらへと促した。
「本日、生憎のところキャンセル席はありません。特別次の時間までの30分、ご案内致しますのでご了承下さい」
「ああ、大丈夫。すぐ帰るから」
黒咲くんは足を組んで微笑した。
こんなに横柄な人だっけ?
「風間さんが働いてるとこが見たかったんだ」
きょとんとする私を振り向いて、早く着替えてきてよと促してくる。
八反田さんが私を睨んだ……ような気がした。
だって怖くて顔見れない。
「風間、用意しなさい」
「はい!」
勢い良く返事をすると、私も八反田さんも同時に事務室に向かった。
「厄介なものを連れて来やがって……」
「え?」
「このフォースハートのクローバーマークが本物だとしたら、だ……。お前は国家よりも怖い権力のある人間の愛犬を連れて来たってことになる」
「……そ、それって……あの……」
「うちが逆らえる訳がない。その足元にたかるだけの、たかが芸能事務所に……」
八反田さんは、パソコンの上に名刺を投げるように置いた。
誰もが知っている企業の名前。
四ツ元グループと記された名刺。
そこに、相談役と書かれた女性の名前があった。
真実を暴こうとしているのだろう。
しかし黒咲くんも瞳を逸らすことはない。
「畏まりました。奥様は今、クアラルンプールに滞在中でございます。代表として、グループ懇意のアルプステレビジョンからスカーレットプロにご連絡を差し上げましょう。今、取り次いで参りますので、少々お時間くださいませ」
コロセウムで決闘が始まる前に、参千寺さんが両者の間に割って入った。
八反田さんはそこでようやく、何かを感じ入ったように一歩引いた。
「……分かりました。ではこちらでお待ち下さい」
右手を大きく広げた彼は、まだ次の案内が始まる前のdolceに黒咲くんと参千寺さんを引き入れた。
へばりつくように、窓にくっついていたメンバーが大慌てで2人を迎え入れる。
「よ、ようこそ、い、いらっしゃいませ!」
「大前、席を用意しなさい」
「そのつもりでもう一つ、先に用意してありますよ」
八反田さんは頷いて、どうぞこちらへと促した。
「本日、生憎のところキャンセル席はありません。特別次の時間までの30分、ご案内致しますのでご了承下さい」
「ああ、大丈夫。すぐ帰るから」
黒咲くんは足を組んで微笑した。
こんなに横柄な人だっけ?
「風間さんが働いてるとこが見たかったんだ」
きょとんとする私を振り向いて、早く着替えてきてよと促してくる。
八反田さんが私を睨んだ……ような気がした。
だって怖くて顔見れない。
「風間、用意しなさい」
「はい!」
勢い良く返事をすると、私も八反田さんも同時に事務室に向かった。
「厄介なものを連れて来やがって……」
「え?」
「このフォースハートのクローバーマークが本物だとしたら、だ……。お前は国家よりも怖い権力のある人間の愛犬を連れて来たってことになる」
「……そ、それって……あの……」
「うちが逆らえる訳がない。その足元にたかるだけの、たかが芸能事務所に……」
八反田さんは、パソコンの上に名刺を投げるように置いた。
誰もが知っている企業の名前。
四ツ元グループと記された名刺。
そこに、相談役と書かれた女性の名前があった。