この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第8章 躰の疼き……
「あれはお前のなんだ?」
「え?クラスメイトですけど……」
「それだけか?」
「え?……は、はい……あ、でも……」
「なんだ?なんか脅されたりしてるのか?」
「い、いえ。昔、告白されたなって……」
「…………」
八反田さんは呆気にとられてから、大きくため息をついた。
「もう分かった……はやく着替えて接客してこい。俺にはこういうのは気が滅入る」
つまらなそうな顔で言って、八反田さんはそのままパソコンと仲良くしてしまった。
黒咲くんにアドバイスを貰った通り、それ以上八反田さんに関わらず事務室を出てスタッフルームで着替えを終えた。
サイドを三つ編みで結い上げ、左手に持つトレンチの邪魔にならないようにした。
ハンディとインカムを持ち、ホールへ向かう。
いつもなら鏡を見て、今日も可愛いぞと言い聞かすところだけど、今はそんな時間はなさそうなので致し方なく省略。
だって既に内情を把握しているハイエナちゃん達が、黒咲くんにたかっているんだもの。
「颯くんは風間さんのカレシ?」
「違うよ」
「そうだよねー、dolceは恋愛禁止だもん」
「そうそう。だからオレの片想いかな」
「えー!みゆりちゃんより私にして下さい!」
「積極的だね、キミ。名前は?」
「あれ?私のこと知らないです?大前です。大前くるみ」
「あぁ、キミがリーダーの」
そうやって、くるみちゃんはのし上がって来たのかな?
影じゃ、枕営業の話も噂に登ってる。
でも大前さんは子役上がりの芸歴長い女の子だから、実力で名を馳せてきたのだと信じたいけれど……。
「颯くんみたいな人がバックにいたら、心強くなっちゃうなぁ……」
この言葉はつまり、そういうことなのかもしれない。
「dólceのリーダーにそう誘われるのは嬉しいけれど、オレはみゆりちゃんのファンだからね。そう簡単に推しを変えることは出来ないかな」
ね? なんて私に同意を求められても……。
これにはくるみちゃんだけじゃなく他のメンバーからも視線が痛かった。
更には……。
「風間……お前本当に付き合ったりしていないんだろうな……」
いつの間にかホールに戻ってきていた八反田さんまでも、目を眇めて私を疑う……。