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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第3章 秘密の特訓❤︎
そして突然険しい表情になり、声を荒立てた。

「おい、携帯が壊れたぞ!どうしてくれんだ⁉︎」

「え⁉︎あ、あの……」

「スーツも高かったのに……お前がカラダでなんとかしてくれんのか?おい?」

「……あ、いえ……その、えっと……ク、クリーニング代をお支払い致します!け、携帯電話の方は、私の一存ではご返答出来かねますので、すぐに責任者を呼んで参りますからお待ち下さい‼︎」

「……ふむ……まあ、ギリギリ合格ラインといったところですね」

八反田さんは呟いて。
そして微笑んでくれた。
怖くて一瞬、手が震えた。
でもきっと私を試しているんだ、そう考えたら言葉がすらすら出てきた。
ギリギリでも合格をくれたってことは、間違ってはないってことだよね?

「皆さんも気を付けて下さい。お客様への失態は必ずいつか起こり得ます。問題はその後の処理です。必ず真っ先に、お客様へ誠心誠意、謝って下さい。そしてお客様へのケアも忘れずに。お客様を1人取り残すことは絶対に避けて下さい」

気迫に押されて静かになったメンバーに、さらに畳み掛けるように八反田さんは声を荒げた。

「返事はどうした⁉︎分かったら、ハイか、分かりましたか、かしこまりましただろ⁉︎分からなかったらその場で分かりませんと言え‼︎」

『は、はい‼︎‼︎』

「……よろしい」

全員が揃って返事をすると、八反田さんは納得したように鋭い目付きのまま頷いた。
そして席を立ち上がり、メンバー全員を見回し言った。

「カラダの要求など、無茶なことを言われたらすぐに私を呼んで下さい。dólceでのミスとあなた方の身体への負担は等価値ではありません。あなた方を守るのも、責任者である私の責任です」

『はい‼︎‼︎』

「分かればよろしい」

八反田さんはテーブルに広げていたファイルを閉じ、事務室の方へと向かおうとした。
そして、何かを思い出すように私を振り返った。

「練習ですから幾ら失敗してもいいですが、当然私は水も滴るイイ男にはならないので、以後気をつけて下さい」

冗談なのだろうが、無表情で言うから笑っていいのか分からなかった。

「すみません……」

とだけ謝ると、八反田さんは、ふっと笑って事務室に戻っていった。
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