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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第8章 躰の疼き……
「大丈夫だよ。私、誰にも言わないよ。八反田さんだって……」
「……俺は何も分からん……」
キーボードを打ち鳴らす八反田さんは知らん顔して口を閉ざした。
暫くもせず、くるみちゃんのまんまるのお月様みたいな両目から大粒の涙が零れ出た。
「本当に、黙っててくれるの?私、それでアイドル目指しててもいいのかな……?」
くるみちゃんに逢って、彼女は別の次元の人だと思っていた。
才能があって、運命にも恵まれて、努力は必ず報われる人。
でも本当は……本当は……。
「他人が何を言っても、私は恋も夢も諦めないくるみちゃんの応援を最後までするよ!」
「あ……あ、あんた、突然なによ……!なんでそんなに優しくなれんのよ……!私は……今、あんたの事……うぇーー〜ん……‼︎」
「あはは。くるみちゃんてほんとに褒められ慣れてないんだね」
「うるさいっ!みゆり!あんたはそういう性格だったのね、本当は!」
「うん、私、意外と腹黒いよー。内弁慶だもん」
「そう言い切るわりに鈍いのもムカつく要素の一つだわ!私と真逆だからムカつくのよ!」
くるみちゃんが怒りながら泣き始めると、私は彼女の手を更にぎゅっと握って笑いかけた。
「セフレって嘘だよね?本当はknifeさんと付き合ってるんだよね?でもアイドルは付き合ってるって一言でも言ったらダメだから、隠し通してるんだよね?それだけknifeさんが好きってことだよね?それだけ芸能界での夢を本気で見てるんだよね?」
今なら分かる。
彼女も普通の悩める女の子であること。
私と一緒。
八反田さんに恋する私と同じ。
でもそこから先は立ち入り禁止だから。
八反田さんの為にも守らなくちゃならないルールだから。
彼女の想いは痛い程分かる。
だから……ますます一緒に頑張りたいと思った。
関係がバレたとき泣きながら謝っていた、本当は弱虫な女の子の、dolceのリーダーと。