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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第9章 それは禁断の果実

「み、み、みゆりちゃん、くるみちゃん、ごめんね、ごめんねー!」

男の人の匂いがする……。
玄関に直立して真っ先に思った。
覚悟していたよりは小綺麗にしているなという感想。
でも城田さんが気にしている大部分はそういう問題じゃなかった。

「い、い、いま剥がすから、み、み、見ちゃだめ!」

「構わん。流川をベッドに寝かせる」

「だだだめ、です!それ、いろ、色々な意味でもそそそれは!」

「構わん!寝かせる!」

そうして和室10畳だろうか……の部屋の襖を開いた。
くるみちゃんと私は部屋の驚愕の光景に立ち止まざるをえない。

「ななななにこれ!」

あんぐりだ。
部屋の壁一面にあらゆるフィギュアのディスプレイに次ぐディスプレイの数々。
それだけでなく天井にもテリトスかってくらいのタペストリーの敷き詰め、ハンモック。
ベッドの枕元には、ツモツモしてんのかって程、アニメキャラのデフォルメぬいぐるみが積み重なっていた。

「凄ーい!!」

酔いも一気にぶっとんでしまいそうなインパクトだった。

「これ!SingとSongじゃん!ちょー可愛い!」

くるみちゃんも珍しく興奮気味だ。

「あ、あれ!ドーソンの一等くじダンガム!!八反田さんにあげるの忘れてた!」

私も思わず叫んでしまうと城田さんのベッドにるかちゃんを降ろした八反田さんが、なんのことだと言わんばかりにダンガムを眺めにきた。

「ぼぼぼ、ぼくは、これ、当てるの大変そうだったから、箱買いしたんだぁ!みみみ、みゆりちゃんは一等当てたの?」

「そうだよ!5枚で当たったの!」

「みゆりはくじ運強そうだものね」

くるみちゃんが腰に手を当てたまま感心してくれた。

「ああ、これドーソンのやつのか。オレさ、このフィギュア当たらなかったんだよなぁ」

「ほんとですか⁉︎ならあげます‼︎」

「いいよ。お前も欲しかったんだろ?」

「う、ぁ……」

ぐっと言葉に詰まる。
八反田さんの為に当てたとは、今は言えない。
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