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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第9章 それは禁断の果実

「八反田です。はい。申し訳ありません、社長……」
彼の口調が変わって私達も固唾を呑んだ。
八反田さんはそのまま隣のダイニングキッチンに部屋を変えて、引き戸を締めてしまった。
城田さんが重い口を開く。
「きょ、きょ、今日のこと、マスコミに叩かれたら面倒なことになっちゃうよ……」
「そ、そんな……るかちゃん、写真に撮られちゃったかな⁉︎るかちゃん毎日あんなに頑張ってるのにこんなことで騒がれちゃったらどうしよう!」
「かかか、かもしれないし……それに……へ、下手したらポニーズと未成年が飲酒合コンとか、へんに報道されちゃうかも……」
城田さんが心配そうにるかちゃんを見遣った。
彼女は、うへへとわらって涎を垂らしながら城田さんのベッドで熟睡するばかりだ。
「そんなことしてない!」
「でも世間にはそう見えるだろ」
全力で否定したくるみちゃんに、戻ってきた八反田さんが核心をつく。
「お前が悪くないのは解るが、もしかしたらお前との関係もバレたかもしれないな……」
「そんな……」
「あくまで仮定だ。だが、もしその時は……覚悟を決めておきなさい」
俯き、表情を隠すくるみちゃん。
両の細い拳が震えている。
だけど八反田さんはそんな彼女の頭に手をやった。
私、彼が女の子の涙に弱い体質なのをもう知っている。
「ま、それはないから安心しろ。あっても俺が潰してやるしな。だから心配するな」
微笑んだ彼の、またしてもスマホが賑やいだ。
今日も八反田さんの電話は多忙を極めていた。
「お世話になっております。スカーレットプロダクションの八反田二三助です。ご無沙汰しております、ポニーズ社長」
え?
これには全員が同じ顔して驚いた。
あの有名なポニーズの社長が直々に八反田さんに連絡を繋げたのだ。
つまり一介のマネージャー如きに。
一体八反田さんの人脈って、どうなっているのだろう。

