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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第9章 それは禁断の果実

「みゆり、私……芸能活動頑張るよ。ブリリアントピンクよりも、knifeなんかよりも、もっともっと有名になって、見返してやるんだから」

「うん……るかちゃんなら大丈夫。絶対大丈夫!」

「だからさ、八反田……あんたの今のこと、黙っていてやるから……私のことちゃんと守りなさいよね!」

丁度シャワーを浴びて出てきた八反田さんに、るかちゃんは強気で臨んだ。
ちょっぴり我が儘にも聞こえる物言いは彼女の才能の一つである愛嬌によるものだから仕方ない。

「喧嘩は終わったんですか?」

「そんなのしてないよ。必要ないくらい、我等は仲良しなんだから」

「成る程、お2人は本当に仲がいいんですね。良いことです」

「あの……八反田さんっ!私からもお願いです!るかちゃんをマスコミから守って下さい!こんなことで、るかちゃんの将来が暗くなるなんて許せません!」

また先程みたく私の気が狂わないようにか、既に彼は黒いスキニーに脚を通していた。
私服姿の八反田さんを見るの、久しぶりだ。

「言われなくても、もうとっくに手は打ってありますよ」

心配いらないと彼は穏やかな表情を見せた。
やけに落ち着きのある八反田さんほど怖いものはない。
すると、携帯がどこかで持ち主を探し始めた。
八反田さんはすかさず部屋を跨いでそれを手にする。

「お世話様です。……ああ。無事処理なさったんですね。なら、いいんです。こちらからは何も。いえ。ウチも、売り出し中の商品を傷つけたくないのでね。ええ。では。またいずれどこかで、食事でも。それでは失礼します」

八反田さんは空中を漂う埃をふぅとかき混ぜて、肩の荷を降ろした。
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