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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第3章 秘密の特訓❤︎
「ご、強引系なら前戯なしで即挿入がいい!」
私も負けじと切り返した。
コソッとだけど。
「それ処女にはキツくない?」
「そのときにはもう私、処女じゃないもん」
「あ〜そういう設定できましたか……」
顔を擦り合わせるように小さな声で、親友とヤラシイことを話す。
お互いクスクス笑いあってから、私は頂きますと手を合わせた。
冷え始めたと思っていたオムライスは、玉子を割って開くとまだ湯気を立てて私を誘ってくれていた。
くだらなくたって、それが楽しくて。
ついつい長居してしまうのがファミレス。
私はるかちゃんとくるのがいつも楽しみだった。
「ちょっとは元気でた?」
「うん、ありがとね、るかちゃん」
オムライスのケチャップがたくさん掛かってるとこを頬張ると、トマトの甘みと酸味がとろとろ玉子に絶妙にマッチした。
まあケチャップが好きなだけだけどね。
「でもま、トレンチ使えるようになって良かったじゃん」
いつの間にかるかちゃんは味噌汁に手を付けていた。
豚汁と青海苔汁の合わせ技やー!と2つを合わせて飲んでいる。
料理番組で見る合わせ技やーの使い方って、そうじゃないと思う。
「うん……トレンチはね……。だけど……」
いろどりの為に乗せられていたグリンピースをスプーンでもてあそびながら、私は何も上手くいかない自分の恋愛状況に唇を尖らせた。
「せめて、八反田さんのお気に入りにはなりたいのに」
グリンピースを弾くと、それはお皿の端っこに転がって跳ね返ってきた。
なんで上手くいかないのかなぁ……。
「お気に入りねぇ……あの人そーゆーのなさそうだけど……」
るかちゃんは箸を伏せて、ご馳走様としっかりお辞儀をした。
「でも大前さんは……気に入られてるじゃん……」
グリンピースをもう1度弾くと、今度はちゃんと端っこに止まった。
私は更にもう1つを弾いた。
「今も、締め作業一緒にやってるし……2人っきりで……」
ピッタリと寄り添うようにして止まった2つめのグリンピースが、なんだか憎らしい。
そうなるように弾いたのは私なんだけど。