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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第9章 それは禁断の果実
ここから私はお伽話の世界に紛れ込む。
母が読み聞かせてくれたお話の断片を思い出した。
願いを込め飛び入ると……影の胸元に閉じ込められたのだ。

「みゆり!」

彼は白いカーテンを纏っていた。
本当に王子様みたいに見える。
そのまま私をきつく抱きしめてくれた。
そして私の頬を指先で緩く触れるように確かめ顔を覗かれたときに、knifeさんに向けたあの紅い閃光を帯びた。

「許さん……」

王子様のもう片手にあるのは物干し竿。
バルコニーに上がるとき引っ掴んできたのだろう。
ラッキーアイテムってこれのこと?
神様の思し召しに納得した私に彼は告げた。

「お前はそこにいなさい」

それはとても優しい穏やかな顔立ちだった。
テレビ電話で想像していたより、遙かに、だ。
そして王子様は悪と対峙した。

例えるなら相手は、見るからにガタイが良く偉丈夫で、牛と豚を掛け合わせたようなオーガとかいう怪物みたいな奴。
痩身の王子様では到底かないっこないと誰もが直感する。
なのに彼が纏う気迫、オーラのようなものが私にはくっきりと浮き上がり感じられた。
王子様は、何かとてつもない力の持ち主なのだと。

「おまえっが、み、ゆ、りの、みゆりの!うがぁががが!」

何語か判別し難い奇声を発して突っ込んできた大男に、王子様はカーテンを投げつけた。
空気を飲み込み広がった布に巻きとられ身動きが取れなくなった巨体。
私はやった! と声をあげた。

「うばばばば!」

けれどお構いなしに王子様に突っ込んでくる。
物干し竿で受け止め危うきを脱したが、それはいとも容易く折れてしまった。

「うぐっ……やっぱこれじゃダメか……」

二人して後方に倒れていた。
悪意はそれでもすぐに起き上がり、カーテンを払いのけていた。
その隙に王子様の胸座を掴みあげ、無理矢理立たせた大男。
万事休すか。
それでも王子様は転がっていた骨董品を右手に拾い上げていた。
まるで彼が訪れることを想定していたかのように姿を現した、父の日本刀。
あの人は話題に困るといつもママにこの刀の自慢話をした。
元の持ち主は無名の農民であったが、この日本刀を手にしてから名をあげた。
木下藤吉郎の刀なのだと。
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