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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第9章 それは禁断の果実

どこかで聞いた台詞と共に刀身を左手の鞘に華麗に収める。
凄い……!
安直だけどまさに凄いとしか言い様がなかったしその表現がいちばん的確だった。
刀を扱い慣れているのがどうしてだかは、私にはわからない。
だけれど、彼の名前から幾分かは想像していた。
23という数字に込められた名前の意味を。

「八反田さんて、本当に王子様だったんですね」

「王子って言うほど、何も凄かないさ」

「ううん、凄いですよ」

八反田さんは父のガラクタの中から鉄製の鎖を見つけて、犯人をぐるぐる巻きにして縛り上げた。
けれど彼は泡を吹いたまま気絶している。
暫くまともに動きそうにない。
それを見た私が安堵してへたり込む前に、八反田さんは私を支えてくれた。
胸の中に閉じ込められる。
いつもと変わらぬ甘酸っぱい匂いだ……。
ようやく私は堪えていた涙を流していた。

「怖かった……。怖かったよぉ……」

「ああ、よく頑張ったな……」

頰を擦られ、零した雫を拭われた。
キスが来る……。
でもその寸前にパトカーや救急隊が駆け付けるサイレンが鳴り止んだ。
八反田さんは苦笑する。

「来るのが速いんだか遅いんだか分からんな」

そうして彼は約束を叶えてくれた。
お姫様抱っこ……。
ちょっと照れ臭いけれど、私はそのまま人前に出ることになった。
集められた警察隊にご近所が騒然としていた。
またマスコミに騒がれちゃう……。
気に病む私を察してか、八反田さんは私の耳元に囁いてくれた。

「お前が気にすることは何もない。大丈夫だ」

そして救急車に預けられた私。
このまま病院に運ばれるらしい。
そういう決まりだと説明された。

「八反田さんは?やだ、離れたくない!」

「俺は警察に詳しい話しをしなくちゃならない。終わったら行くからそれまで大人しく待っていなさい」

「どうしても?」

「どうしてもだ」

「……分かりました……でも、早く来て下さいね……」

私がせがむように訴えると、彼は優しく微笑んでくれた。
バックドアが閉じ、私は流されるように病院へ運ばれた……。
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