パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第9章 それは禁断の果実

私の靴の匂いを嗅いでいたあの男、あいつにはゾッと血の気が引いたのに。
それ以上を求める目の前の八反田さんには微塵も感じない不快感。
ただそこにあるのは欲求だ。
私を欲しがる八反田さん……あなたにもっと私の知らない快楽を植え込まれたいという欲望だけ。

もう、私だっておかしくなりそう……。

八反田さんは舐るだけでなく歯を立てたりもした。
踵をコリコリと奥歯らへんで甘噛みする様は意外にも愛らしく、人に忌み嫌われた怪物を手懐けたような、なんとも言えない高揚感に駆られる。
熱が上がり続けていた。
はぁはぁと呼吸が乱れるくらいに。
その隙をついて八反田さんは私の寝間着のハーフパンツを掴みとった。
緩めのゴムは余りにも役立たずで、ズルリと太股が露わになる。
私は急いでキャミソールの裾を伸ばし下着を覆い隠した。

「きゃんっ……」

子犬の声で鳴くと彼はくすくす笑った。

「顔が真っ赤だ……可愛いなぁ」

それから彼は私の脚を辿って登り始めた。
脹ら脛を頬で擦られ時折舌先で肌を慰められる。
膝裏に至りまたしても私の熱がどくどくと籠もった。

擽ったい。
でも気持ちいい。

そればかりが繰り返し繰り返し襲い来る。
八反田さんはいぢわるだ。
私が熱で身を焦がす様を見て喜んでいるのだから。

「ふっ……んっ、あ、はぁ……」

「みゆりの躰は、どこもかしこも美味しいな……」

脚を八反田さんの肩にかけられた。

「やめられなくなりそうだ……」

こんな態勢をさせられれば、一生懸命隠しても見えてしまう。
私が熱に浮かされ溢れる涙を流していること……。
それが子宮からも零れていること……。

「あっ、あ……あ……」

びくびくと痙攣しているのが自分で分かる。
きっと私もう……。