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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第3章 秘密の特訓❤︎

「はわわ〜……」

私もすっかりのぼせ上がってしまった。
客観的に見ていたるかちゃんは言った。

「2人とも、顔赤過ぎ」

その時ふと、メーターが振り切れた私にある人物の顔が浮かび上がる。

「お、大前さんっ!てんちょーが呼んでます‼︎」

「はぃ?」

そうして軽やかに現れた大前胡桃ちゃんは。
八反田さんの疑問をいとも簡単に解決してみせた。

「ああ、それ、ハンディの登録枠が1つずつズレてるんだと思いますよ。私、直しておきましょうか?」

「なるほど。なら頼んでいいか?」

「もちろんです」

「じゃあお願いするわ」


敬語じゃないときの八反田さんは、結構気が緩んでるとき。

「腹減った……。もうこんな時間か。俺、ちょっと飯食ってきていいか?」

「いいですよ、私、みんなのこと見てますから」

「そうか?なんかあったら電話くれ。すぐ戻る」

「はい」

大前さんはやっぱり……。

「スゴイなぁ……恋人同士の会話みたいだったなぁ……」

オムライスを無事完食した私はスプーンを置いた。
私はあの位置に行けるのかな?
この前の意気込みと私のライフは、今はもうほとんどゼロだ。

「私も八反田さんの電話番号知りたい……」

要は、今日1番のポイントはそこだ。
メンバーで大前さんだけが知ってる八反田さんの電話番号。
そんなことはあるはずないのに、2人が密にやり取りをしている場面を、やけに想像してしまう。
るかちゃんは直接聞けばいいじゃないと言った。
それが出来たらこんなにやきもきしないのだ。

「私るかちゃんみたいになりたいな……」

「私はみゆりのおっぱいほしいよ……」

2人して結局は拉致の開かない悩みに辿り着く。
自分は自分。
他人は他人。
自分の持ってるスペックを磨いて生きていくしかない。

私達を含め指定されていた時刻にあがったメンバーをよそに。
大前さんと八反田さんが今2人で何をしているのかは、もう考えないようにした。
2つっきりしか乗せられていなかったグリンピースをスプーンで隠し、見えないようにする。
それだけでなんとなくお皿がすっきりして見えるから。
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