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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第10章 裏切り
「バレない?」
「そのスレスレが、エロい人妻の求めるところでしょ」
「実際もそういうもの?」
「そういうものだよ」
事実は小説より奇なりとはいうが、実際、世の中の夫婦は官能小説よりも激しい愛やセックスを愉しんでいるとでもいうのだろうか。
言葉通り、文字より破廉恥極まりない不道徳で廃退的な関係を営んでいるとでもいうのだろうか。
どちらにせよ、それではこの世の中、不純に塗れた不貞ばかりが溢れてしまうということになる。
そんな馬鹿げた話があるだろうか。
そして黒猫くんは今の拠り所の女の話しを勝手気ままに始めてくれた。
「なっちゃんはピンクのパールバイヴで奥責められるのが大好きでさ。オレに合うまでは自分で慰てたらしいんだ。すっげぇ、極太なの。旦那のがむちゃくちゃデカいから、それじゃなきゃ感じなくなっちゃったんだって。なら旦那とすればいいじゃんて言ったら、旦那はキモくてムリって。何その矛盾て思うよね」
更に黒猫くんは口を割る。
口の周りについたアボカドソースを拭う様が本当に猫そのものだ。
「なんでキモいのって聞いたら、顔がムリだって。じゃあなんで結婚したのかって聞いたら、その時は好きだったんだって。姉の代わりに激しく求められてるうちに、好きになっちゃったらしいよ。何だよそれって思ったよね。だって結婚して自分のものになったら、要らなくなったってことでしょ?最低な女だよな」
ご馳走様。
彼は私に会釈して、今度何かお礼するよと付け加えた。
けどまた見知らぬ夫婦の話を続けた。
彼がこんなにお喋りになるのを私はただ黙って見届ける。
「でも旦那も旦那だよな。姉が手に入らないから妹で手を打つなんてさ。突っ込んで聞いたら、双子の姉なんだってさ。自分とは違って楷書の君だったんだって。知ってるでしょ、失楽園。姉は結婚していたから、旦那は諦めて自分で憂さを晴らしていたらしいよ。なんか馬鹿らしいよね」
黒猫くんはそこまで話してようやく伸びをし欠伸を広げた。
「妻は姉への嫉妬、夫は姉への慕情、そんな関係で成り立っているんだよ、あの夫婦は」