この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第10章 裏切り
黒猫くんは私がその夫婦の顔見知り前提のように話し、纏めきった。
私は期待に応える他ない。

「でもじゃあそのお姉ちゃんは、二人の関係を今どう思っているのかな?」

「そこなんだけどさ」

私が仕方なしに突っ込んで聞いてやると、黒猫くんは待ってましたとばかりに指を鳴らした。

「もう姉は離婚して、今は誰にも縛られず自由気ままに暮らしてるっていうんだから、人間て奇っ怪な生き物だよね」

「人の置かれる状況なんてそんなものなのかもね」

私は深く考えることもせずそんな言葉をざっくりと繋げた。
だって、自分がどうなるかなんて、その時になってみなくちゃわからないもん。

「とりあえず、キミの目下の目標は……」

黒猫くんは突如居住まいを正して、お弁当箱をしまい始めた。
包みを綺麗に縛って、はいお終いとばかりにトートバッグに片付ける。

「慰め役に納まることなんじゃない?」

ベンチから立ち上がった彼の向こうに太陽光があって、眩しかった。
日食のようにそれが丁度重なって、むしろ暗くも感じられる。
表情がまるで見えない。

「夫婦なんて絶対的に喧嘩する仲なんだし。セックスレスって言ってたんでしょ?ならチャンスはそこら中に落ちてるだろうね。誘惑するのも手か……」

そうして、私がデザートに持ってきた兎型の林檎を一つもぎ取られた。
じゃりっと首がはじけ飛ぶ音がした時、彼を求める女生徒の声がして、彼はじゃあねと私に告げた。

「黒咲くん、先生が呼んでるよ」

「風間さんと何してたの?」

そんな声が聞こえたけれど、私は彼女等を振り返らなかった。
からかわれると知っていたからだ。

「あんな事件に合ったのに、もう男といちゃつけるとか信じらんない」

「案外自分でファンと繋がったんじゃないの?」

改めて、林檎を一口齧る。
あの事件以来、毎度のことだともう慣れてしまう。

「誘惑、しちゃおうかなぁ……やっぱり」

私の一言に彼女達は訝しんだ顔をしていたと思うけれど、黒咲くんだけは私の言葉の意味を理解して小さく噴き出していた。
尚も私は考え込んだ。
離れてしまった八反田さんの気持ちを、どうしたら引き戻せるのかと。



❤︎
/489ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ