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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第10章 裏切り
その間ひっそりと病院から退院した私は、事務所の力を借りて都内のホテルに滞在していた。
報道の煩わしさからはそれで解放されたけれど、久しぶりに海外から帰国した父からは、これでは家にすら入れないとこっぴどく怒られた。
「お前が芸能人になろうがなるまいが勝手だが、俺の仕事に支障をきたすようなら辞めて貰う。そういう約束だったよな?」
仕事人間の父はたぶん私のことが嫌いなのだ。
私の母が自らを殺したあの日から、父はあまり家に帰らなくなった。
3人目の母であるみほこお姉ちゃんがやってきたのは、その時期だ。
まだ幼い私の面倒を見る為だったのだと彼女本人から聞いてもいた。
元々父の秘書を務めていた彼女は不在になった家事用人を押し付けるには最適だったのだと。
でもみほこお姉ちゃんは、それ以来一切笑わなくなった小さな私の世話をよくしてくれていたと思う。
実際彼女がいなかったら私は小学校生活すらまともに送れなかったと思うのだ。
同じ頃、兄は閉鎖病棟に入れられた。
罪を犯し大好きな人が亡くなって、いよいよ気が触れたんだと聞いた。
中学に上がった頃、みほこお姉ちゃんは父と離婚した。
私は一人で家事を出来るように成長したし、本当に好きな人と一緒に居るためだと薄い唇が語ったっけ。
でも中学の3年間が、思えば私が一番凪いでいた頃だ。
友達もいなかったし根暗もいいところだったけれど。
高校生になって、家を出されていた兄から芸能オーディションへの応募連絡の手紙が届けられた。
突然だった。
一次審査合格の過去形で。
何をされるか怖くて、その時は嫌々2次審査を受けに行った。
アルバイト面接をするような極簡単な受け答えと筆記試験だったとは、今だから思えることだ。
3次試験は水着審査と歌や演技、ダンス等特技の審査だった。
とりあえず1番簡単そうな歌のチョイスをして少人数の黒服の前で披露した。
大きな栗の木の下で、を振り付きで。
結構恥ずかしかったけれど、どうせここで落ちると思っていたし気楽にやったっけ。
結局はそこも通過して本番である4次審査でるかちゃんと出逢えたから私はアイドルとして事務所にいる訳なのだけれど……。
テレビの力は凄い。
ニュースに取り上げられただけで、こんなにファンの人が付いてくれるなんて……。
報道の煩わしさからはそれで解放されたけれど、久しぶりに海外から帰国した父からは、これでは家にすら入れないとこっぴどく怒られた。
「お前が芸能人になろうがなるまいが勝手だが、俺の仕事に支障をきたすようなら辞めて貰う。そういう約束だったよな?」
仕事人間の父はたぶん私のことが嫌いなのだ。
私の母が自らを殺したあの日から、父はあまり家に帰らなくなった。
3人目の母であるみほこお姉ちゃんがやってきたのは、その時期だ。
まだ幼い私の面倒を見る為だったのだと彼女本人から聞いてもいた。
元々父の秘書を務めていた彼女は不在になった家事用人を押し付けるには最適だったのだと。
でもみほこお姉ちゃんは、それ以来一切笑わなくなった小さな私の世話をよくしてくれていたと思う。
実際彼女がいなかったら私は小学校生活すらまともに送れなかったと思うのだ。
同じ頃、兄は閉鎖病棟に入れられた。
罪を犯し大好きな人が亡くなって、いよいよ気が触れたんだと聞いた。
中学に上がった頃、みほこお姉ちゃんは父と離婚した。
私は一人で家事を出来るように成長したし、本当に好きな人と一緒に居るためだと薄い唇が語ったっけ。
でも中学の3年間が、思えば私が一番凪いでいた頃だ。
友達もいなかったし根暗もいいところだったけれど。
高校生になって、家を出されていた兄から芸能オーディションへの応募連絡の手紙が届けられた。
突然だった。
一次審査合格の過去形で。
何をされるか怖くて、その時は嫌々2次審査を受けに行った。
アルバイト面接をするような極簡単な受け答えと筆記試験だったとは、今だから思えることだ。
3次試験は水着審査と歌や演技、ダンス等特技の審査だった。
とりあえず1番簡単そうな歌のチョイスをして少人数の黒服の前で披露した。
大きな栗の木の下で、を振り付きで。
結構恥ずかしかったけれど、どうせここで落ちると思っていたし気楽にやったっけ。
結局はそこも通過して本番である4次審査でるかちゃんと出逢えたから私はアイドルとして事務所にいる訳なのだけれど……。
テレビの力は凄い。
ニュースに取り上げられただけで、こんなにファンの人が付いてくれるなんて……。