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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第10章 裏切り
「みゆり、髪の毛伸びたわねぇ。次のヘアスタイルどうしましょうかねー」
そうやって私の髪を弄ったり、
「ダンスレッスン疲れたでしょー?」
腕をマッサージしてくれた。
私は内緒話をするように小声で尋ねた。
「早坂さん、こ、これってわ、わざとやってるでしょ?」
「普段、厳しくされるお返しよ。彼、あなたのことになるとすぐ本性現れるんだから……」
「え?それってどういう……」
「あらやだ、つい口が滑ったわ。まぁ見てなさいよ」
早坂さんは、おさげにして眼鏡かけるってのもアリよねぇと独りで呟きながら私の髪の毛を左右で束にして掴み、顔と顔が今にも擦れ合いそうな距離をつくる。
……え、見るって何を?
思いながら、私は彼女の赤く艶めく唇をみつめていた。
改めて感じる。
やっぱり早坂さんは、私にとって女の人だと。
だから世間的には男性であったとしても私にはそれほどこの行為が苦痛ではない。
むしろ綺麗なこの人は私より数倍女性らしくて妬んでしまいそうになる。
それに私が好きな人は何があろうと八反田さんなのだ。
たとえ私の本当の姉のような彼、早坂さんに告白されても……。
私の想いは変わらない。
でも八反田さんには到底理解不能な世界観だったらしい。
「お前は、男となら誰とでもイチャつけるのか?」
新しい生ビールを流し込みながら八反田さんは私を眇め見る。
眉間の皺が不服を申し立てているのは……。
「違うわよぅ。私だからパーソナルスペースへの侵入を許してくれてるのよねぇ?」
それはまだ期待してもいいってことですか?
「え?あ、は、はい。早坂さんは、特別ですから……」
ねえ八反田さん。
あなたもまだ私を好きだってこと……。
「特、別……?」
「そうですよ。みゆりは私がマネージャーになって最初に担当した特別な女の子だもの。ねぇ八反田店長……いや、スカーレットの次期エースプロデューサー様。私、あなたが偉くなって忘れてしまったことを思い出して欲しいのよ」
今日の早坂さんはやけに牙を向く。
元々うちのプロダクションのモデルだった頃の『彼』は、もっと喧嘩っ早かったらしいけれど。
「何が言いたい?」
「あの頃はあんなに優しくてもっと距離が近かったのにってことよ。私、今ね、あなたの真似をしているの。あなたがまだ新人で私が駆け出しだった頃の」
そうやって私の髪を弄ったり、
「ダンスレッスン疲れたでしょー?」
腕をマッサージしてくれた。
私は内緒話をするように小声で尋ねた。
「早坂さん、こ、これってわ、わざとやってるでしょ?」
「普段、厳しくされるお返しよ。彼、あなたのことになるとすぐ本性現れるんだから……」
「え?それってどういう……」
「あらやだ、つい口が滑ったわ。まぁ見てなさいよ」
早坂さんは、おさげにして眼鏡かけるってのもアリよねぇと独りで呟きながら私の髪の毛を左右で束にして掴み、顔と顔が今にも擦れ合いそうな距離をつくる。
……え、見るって何を?
思いながら、私は彼女の赤く艶めく唇をみつめていた。
改めて感じる。
やっぱり早坂さんは、私にとって女の人だと。
だから世間的には男性であったとしても私にはそれほどこの行為が苦痛ではない。
むしろ綺麗なこの人は私より数倍女性らしくて妬んでしまいそうになる。
それに私が好きな人は何があろうと八反田さんなのだ。
たとえ私の本当の姉のような彼、早坂さんに告白されても……。
私の想いは変わらない。
でも八反田さんには到底理解不能な世界観だったらしい。
「お前は、男となら誰とでもイチャつけるのか?」
新しい生ビールを流し込みながら八反田さんは私を眇め見る。
眉間の皺が不服を申し立てているのは……。
「違うわよぅ。私だからパーソナルスペースへの侵入を許してくれてるのよねぇ?」
それはまだ期待してもいいってことですか?
「え?あ、は、はい。早坂さんは、特別ですから……」
ねえ八反田さん。
あなたもまだ私を好きだってこと……。
「特、別……?」
「そうですよ。みゆりは私がマネージャーになって最初に担当した特別な女の子だもの。ねぇ八反田店長……いや、スカーレットの次期エースプロデューサー様。私、あなたが偉くなって忘れてしまったことを思い出して欲しいのよ」
今日の早坂さんはやけに牙を向く。
元々うちのプロダクションのモデルだった頃の『彼』は、もっと喧嘩っ早かったらしいけれど。
「何が言いたい?」
「あの頃はあんなに優しくてもっと距離が近かったのにってことよ。私、今ね、あなたの真似をしているの。あなたがまだ新人で私が駆け出しだった頃の」