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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第10章 裏切り

「あ、あれ?八反田さん、タクシーに……乗ったんじゃ……」

「……俺、そこのコンビニで酒とつまみ買ってただけなんだが?」

「ひ、人違い……?」

「相変わらずそそっかしいやつだな」

八反田さんはそれで、ふっと笑って。

「見ろ。両膝擦りむいてる……」

私の手をエスコートして立たせてくれた。
引かれてぐっと距離が近づく。

「あ、ありがとう、ございます……」

「お前ってほんとドジっ子だよな」

「うぇ……だ、だって……この辺みんなスーツの人だし、暗かったから……」

「分かったから、その手、離してくれないか」

久し振りの温もり。
掌と掌が繋がる暖かさ。
それを自分から手放したくなくて、今度は私がぐっと掴んでしまっていた。

「いやです……」

震える声と共に首をふる。
すると彼は溜め息交じりに笑ってくれた。

「お前のそのわがままを聞くのも久し振りだ」

彼はしばらくそうして私の傍にいてくれた。
次のタイミングで私が彼に抱き付くまでは。

「そういうのはもう終わりだって言っただろ」

突き放される。
悲しくて心の辺りから涙が流れるのを必死で堪えた。

「だって……私、まだ、八反田さんのこと……忘れられ……」

「しっ」

彼はそれ以上を拒むように自身の唇に人差し指を添えた。

「誰がどこで見てるか分からない。移動するぞ」

八反田さんは通り過ぎようとしたタクシーに手を掲げて止め、先に私を中へ促した。
そして車内で気まずい空気のまま、目的地を告げられた運転手さんは私達を寡黙に運んだ。
雨がちらついてきた。

「これなら蝿も寄り付かなくなるな」

「はえ?」

「パパラッチだよ」

そう呟いた八反田さんの眉間の皺が浅くなったのが印象的だった。

タクシーが案内してくれたのは都内の歓楽街、その路地裏にある質素なビジネスホテルだった。
もっと奥へ行けばファッションホテル……所謂ラブホ街があるけれど、彼はそっちには見向きもせず、セレブストリートから少し離れた土地へと疲れた顔で黙々と踏み込んでいった。
私もその後をせっせとくっついていく。
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