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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第12章 みほこお姉ちゃんと王子様
「私はないけれど、みゆりちゃんは何処に行きたいんだっけ?」
「うん!わたし遊園地に行きたい!」
それで王子様はわたし達をおとぎの国へ連れて行ってくれた。
メリーゴーランドに乗ったり、ジェットコースターに乗ったり、ポップコーンを食べたり、とても楽しかったのに……。
どうして私、忘れてしまったんだっけ。
「これ欲しーい!」
園内で売っていたミキティくんの彼女ミーニャちゃんのネコ耳カチューシャ。
それを頭にのっけてわたしは王子様におねだりした。
王子様は、
「じゃあ、みほこさんの分も……」
お姉ちゃんに目配せをした。
「わ、わたしはいいわ……!こういうの似合わないもの!」
「そんなことありませんよ!……ほら!」
王子様の手によってネコ耳を髪に飾られたお姉ちゃん。
お姉ちゃんはまた少しはにかんだ。
「ほら……もう私、おばさんよ……似合わないから……」
息を呑んだ王子様は首を振る。
「か、可愛いっ!…………です!」
「え……!?……と、歳上をからかわないで!」
お姉ちゃんはすぐに怒ってカチューシャを元に戻してしまった。
でも本当は顔が真っ赤だったの、わたし知っている。
ずるい……。
だけどカチューシャをプレゼントされた私はすぐに機嫌を取り戻した。
……ふりをした。
その後はご飯を食べにレストランに入った。
「予約、なんとか取れてよかったです」
「わぁぁ、すごいね!お姉ちゃん!ミキティくんとミーニャちゃんのお皿だよ!フォークもスプーンもテーブルも椅子も全部ぜぇーんぶ!」
「え、ええ、そうね……でも、ここ、高かったんじゃ……」
「いえ、あの日、お礼と言ってご馳走になっていますし、このくらいのお返しはさせて下さい」
「でも……!」
「いいんです。今までずっと独り身なんで、こういうの全く縁なくて……僕も楽しいんですよ。奢らせて下さい」
それで、お姉ちゃんと王子様は可愛いグラスでピンク色の弾けるお酒を飲んでいた。
二人とも同じようにほっぺたがピンク色。
「ずるい!」
私も負けじとブドウのジュースを飲んで酔ったふりをした。
最後に出てきたショートケーキ。
生クリームが苦手なお姉ちゃんは私に譲ってくれた。
けど私もお腹いっぱい。
お姉ちゃんはそれで王子様に声を掛けた。