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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第12章 みほこお姉ちゃんと王子様

「想像してたより、かなりえっちな人でびっくりはしましたけど……。でも、それは僕だって同じです。エロいこと好きだし、気にすることなんてありません」

「……じゃあ、すけべでもいいの?私、ド淫乱なのよ?」

お姉ちゃんは舌を出し、チロチロと左右に振って遊んだ。

「ははっ、大丈夫です。むしろその方が好きですよ、僕」

「無理に合わせなくていいのよ?だってそれだけじゃないもの、私」

「他に何か?」

王子様はお姉ちゃんの言葉を待った。
2人はさっきと立場が逆転していることに気づいているだろうか。

「ずっと、ずっとね……。ここのひとの……わたし……愛人……してたんだもの。つい最近、奥様が亡くなるまで、ずっとよ。……わたし、酷い女、なのよ……」

滑らかな口調で語られたお姉ちゃんのどす黒い裏の顔。
わたしもそれは知っていたけれど、優しいお姉ちゃんに何も、文句一つとしてなかった。
でもそれはきっと王子様も同じ気持ちなんだろう。

「ええ、世間的にはそうかもしれませんね。とんでもない酷い悪女だ。……けれど、それでも僕は、あなたが好きなんです」

キスの続きをしようとする王子様を、お姉ちゃんは顔を伏せて拒んだ。

「どうして!?おかしいわ!そんな女を好きだなんて……!正気とは思えない!」

「それでも。僕はあなたに惚れてしまった。好きになってしまったんです」

俯くお姉ちゃんの頬を、王子様は優しく自分の方へと引き戻した。

「これからもずっとあなたを好きでいます。これから必ずあなたを幸せにしてみせます。だから……」

「……嘘よ」

「僕は嘘はつかない!僕が嘘を嫌いだから!僕を信じて下さい!」

「……信じられないわ」

「みほこさんは、僕が嫌いですか……?」

「いいえ好きよ……。最初から溺れてしまいそうなくらい……」

お姉ちゃんはそう言って王子様の肩に隠れた。
きっと泣いているんだと思ったのは、王子様が彼女の瞼を拭ったからだった。

「僕も同じです。一目見たときから惹かれてた」

「……ほんとうに?私を……好きなのね?」

「ええ、好きです。大好きです……みほこさん」

それから2人は流れるように、またキスを交わした。
しゃぶり付くような愛の証明。
互いを欲し合う手が競い合うように躰を這う。
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