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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第4章 ようこそアイドルカフェdólceへ‼︎

「それから勝手に、ご家族の方ですか?はい!と簡単に答えないで下さい。父と娘です、ではありません!私はまだ38です。こんなにでかい娘を作った記憶はない」

文句を解き放ったのち。
息を整えた八反田さんは覗き込んでいたカーテンをくぐった。

八反田さんが、来てくれた……。
その事実が何よりも嬉しい。


「お疲れ様です。八反田さん」

「お疲れ様です。早坂さん」


社内規定である当たり前の挨拶を交わした八反田さんと私のマネージャー早坂さんはまた、お決まりのようにこう続けた。

「dólceオープン、おめでとうございます」

「ありがとうございます」

そのセリフに、ズキッと胸が痛む。
結局私は何も出来なかった。
何1つ出来ないまま。
1日が終わってしまったんだ……って。
あまりにも不甲斐なくて。
あまりにも悔しくて。
あまりにも頼りない自分がこの時ばかりは本当に嫌いになった。
どっと涙が溢れ、搾り上げるような声で叫んだ。

「ごめんなさい八反田さん!私……私……」

「大丈夫ですよ、風間さん」

八反田さんは私の頭の上に手を置いたあと、そう告げてくれた。
あたたかい……。

「……へっ?」

唐突な温もりに、素っ頓狂な声が出てしまう。
こんな時なのに、

あ。手大きい……。

とか考えてしまう自分がやっぱり嫌い。

「早い段階から、あなたがこうなることは想定内です」

八反田さんは一瞬だけ早坂さんに視線を向けた。

「私はdólceの責任者です。あなた方の全てを把握しておく事も、私の責任です。あなたがよく気を失うことは当然知っていました。ですがdólce内で起きることは、全て私の管理不十分……そうなる前に手を打っておきました」

当たり前のことですよ。
八反田さんはそう言って、自分のスマートフォンを指で何度かタップし、私に見せてくれた。

「言っていませんでしたが、dólceの公式サイトです。そこのプロフィール欄に、ちゃんと記しておきましたよ」

そこには名前や年齢、趣味や特技などが表記されており、一言欄が設けられていた。
更にそこにはちゃんとこう名目されていた。
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