この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第4章 ようこそアイドルカフェdólceへ‼︎

――あまり見つめられると倒れちゃいます。
それは、私がカフェのオーディションを受ける際に書いていた、備考欄の言葉だった。
「早坂に確認したところ、嘘や冗談ではなく本当だと聞いた。だからいつ倒れても慌てないようにはしていた。気にすることはない」
八反田さんは、私の頬に触れるか触れないかの距離感をおいて、頭の上に乗せていた手を滑らせた。
結局触れることはなかったまま引っ込められた手。
もしかして、涙を拭おうとしてくれたのかな……?
「では私はこれで戻ります」
「え、戻るってdólceにですか?今から?もう夜ですよ⁉︎」
私は急に寂しくなって、八反田さんを視線で引き留めた。
もっとお話したいのに。
もう帰っちゃうの?
「まだ色々やるべきことがあるんですよ。今日は眠れそうにありません。まあそれも分かっていたことですから」
八反田さんは、
「じゃあな。流川も今日は疲れてるんだから、早く帰れ」
るかちゃんの体調も気遣ってから、カーテンをくぐり抜けていった。
この時ばかりは流石のるかちゃんも、
「はい、お疲れ様でした」
素直に挨拶をした。
「あ、そうだ早坂!あの件よろしく頼む」
最後にカーテンの向こうから八反田さんの精悍な声だけが聞こえてきて、早坂さんが、はい分かりましたとだけ答えていた。
なんだろう?
そう思う前に早坂さんは私に向き直っていた。
「みゆりのことだから、今日1日何も出来なかった、役に立たなかったなんて思ってるんでしょ?大丈夫よ。まだやるべき事は残っているわ」
「え?」
「八反田さん、dólceのつぶやいたーから、あなたのメッセージをファンに送りたいそうよ。みゆりが今何をしているか、何を思っているか、書けたらコレにメールくれだって」

