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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第4章 ようこそアイドルカフェdólceへ‼︎

――あまり見つめられると倒れちゃいます。

それは、私がカフェのオーディションを受ける際に書いていた、備考欄の言葉だった。

「早坂に確認したところ、嘘や冗談ではなく本当だと聞いた。だからいつ倒れても慌てないようにはしていた。気にすることはない」

八反田さんは、私の頬に触れるか触れないかの距離感をおいて、頭の上に乗せていた手を滑らせた。
結局触れることはなかったまま引っ込められた手。
もしかして、涙を拭おうとしてくれたのかな……?

「では私はこれで戻ります」

「え、戻るってdólceにですか?今から?もう夜ですよ⁉︎」

私は急に寂しくなって、八反田さんを視線で引き留めた。
もっとお話したいのに。
もう帰っちゃうの?

「まだ色々やるべきことがあるんですよ。今日は眠れそうにありません。まあそれも分かっていたことですから」

八反田さんは、

「じゃあな。流川も今日は疲れてるんだから、早く帰れ」

るかちゃんの体調も気遣ってから、カーテンをくぐり抜けていった。
この時ばかりは流石のるかちゃんも、

「はい、お疲れ様でした」

素直に挨拶をした。

「あ、そうだ早坂!あの件よろしく頼む」

最後にカーテンの向こうから八反田さんの精悍な声だけが聞こえてきて、早坂さんが、はい分かりましたとだけ答えていた。
なんだろう?
そう思う前に早坂さんは私に向き直っていた。

「みゆりのことだから、今日1日何も出来なかった、役に立たなかったなんて思ってるんでしょ?大丈夫よ。まだやるべき事は残っているわ」

「え?」

「八反田さん、dólceのつぶやいたーから、あなたのメッセージをファンに送りたいそうよ。みゆりが今何をしているか、何を思っているか、書けたらコレにメールくれだって」

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