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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第12章 みほこお姉ちゃんと王子様
そんな失礼なことを口にできるはずもなく語尾を小さくすると、なほこさんはコチラから聞かずとも身の上話をしてくれた。
劣等感に堪えきれず学生のうちから家を飛び出していた身だということ。
そのまま家族とは縁を切っていたが、心配して連絡をしてくれていたのはみほこお姉ちゃんだけだということ。
けれど家に帰る気など甚だなかったということも。
「みほこが私を心配するたび自分が嫌いになってくの。同じ顔で同じ瞬間生まれたことさえ堪えきれなくて何度も顔を傷つけようとした。けど、怖くてそれすら出来なかった」
なほこさんはぬるくなったラベンダーティーの香りを何度も深く吸い込んだ。
この人もお兄ちゃんと同じだ。
手首を見るとたくさんの傷跡があった。
「あれはちょうど睡眠薬を飲もうか迷っていた時よ。久しぶりに電話が鳴ったのは」
そのセリフと共に彼女は自分の旦那様をもう一度見つめ直した。
今度は八反田さんが代わって口を開き始める。
まるで彼女を庇うかのように。
「突然だったからな。みほこさんの……その……みゆりのお父さんが帰ってきたのは……」
歯切れが悪いのは仕方ないこと。
だってそう、つまりこれは、言葉の意味そのまま……。
私の想い人は、過去、私の義理の母と不倫をしていた……そういうことなのだから。
「咄嗟に嘘をついた……って意味ですか?」
「ええ、そうよ。その通り。鈍感そうな顔して見かけによらず察しがいいのね。さすが。みほこお姉ちゃんみたい」
棘を含む言い方……。
うぅ、どうしよう、やっぱりこの人、ちょっと苦手だ。
そりゃあ私、旦那様に恋愛感情ありまくりだし、今まであった私達のこと全部知ってるとしたら絶対許せないだろうし、敵視されるのは仕方ないことも重々承知の上……だけど。
劣等感に堪えきれず学生のうちから家を飛び出していた身だということ。
そのまま家族とは縁を切っていたが、心配して連絡をしてくれていたのはみほこお姉ちゃんだけだということ。
けれど家に帰る気など甚だなかったということも。
「みほこが私を心配するたび自分が嫌いになってくの。同じ顔で同じ瞬間生まれたことさえ堪えきれなくて何度も顔を傷つけようとした。けど、怖くてそれすら出来なかった」
なほこさんはぬるくなったラベンダーティーの香りを何度も深く吸い込んだ。
この人もお兄ちゃんと同じだ。
手首を見るとたくさんの傷跡があった。
「あれはちょうど睡眠薬を飲もうか迷っていた時よ。久しぶりに電話が鳴ったのは」
そのセリフと共に彼女は自分の旦那様をもう一度見つめ直した。
今度は八反田さんが代わって口を開き始める。
まるで彼女を庇うかのように。
「突然だったからな。みほこさんの……その……みゆりのお父さんが帰ってきたのは……」
歯切れが悪いのは仕方ないこと。
だってそう、つまりこれは、言葉の意味そのまま……。
私の想い人は、過去、私の義理の母と不倫をしていた……そういうことなのだから。
「咄嗟に嘘をついた……って意味ですか?」
「ええ、そうよ。その通り。鈍感そうな顔して見かけによらず察しがいいのね。さすが。みほこお姉ちゃんみたい」
棘を含む言い方……。
うぅ、どうしよう、やっぱりこの人、ちょっと苦手だ。
そりゃあ私、旦那様に恋愛感情ありまくりだし、今まであった私達のこと全部知ってるとしたら絶対許せないだろうし、敵視されるのは仕方ないことも重々承知の上……だけど。