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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第4章 ようこそアイドルカフェdólceへ‼︎

8tanda23@xx.mail
小さな紙切れに、そう書いてあった。
「いつも思うけど、あの人の仕事の早さには驚かされるわ。今日全てこうなることが分かっていて、前以て用意されていたんじゃないかってくらい。だって、みゆりが救急車で搬送される時に私も付き添いで一緒に乗り込んだんだけど、その時そう言って手渡されたんだから」
更に私が倒れた瞬間には、救急車を呼び出す為、もうスマホから救命コールをかけていたらしい。
「みゆりがこうなるとこ、見慣れてる私より行動が早かったのよ。だってそれからすぐに裏口にみゆりを抱きかかえて引っ込めたのも八反田さんだったし。イベントは絶対に中止するなって、司会に一言告げてね」
そっか……。
あのフワフワで、甘酸っぱい匂いは八反田さんのせいだったんだ。
抱きかかえてくれても、私には全く覚えがないけど……。
考えたら、トクンと、胸が弾んでしまった。
「良かったじゃん、みゆり!メールアドレスもサインもゲットじゃん!」
るかちゃんがそう言うと、
「あらまあ、みゆりって……そうなの?」
早坂さんが私をからかった。
は、恥ずかしいよ。
「なんだ早く言ってちょーだいよ」
私の肩を叩いた早坂さんは笑って、帰り掛けにもこんな話をしてくれた。
「本当はこれが原因で、カフェオーディションの時あなたは選考から外れていたのよ。でも、正直に自分のデメリットを曝け出すメンタリティを買いたいって、八反田さんが推したそうよ」
「へぇー!」
るかちゃんが興味深々に頷く。
「上がり症で気絶する巨乳のアイドルなんて、そうは居ませんよってね」
ウインクした早坂さんは、
「じゃあ帰るわね。お医者先生の話も聞かなくちゃ」
るかちゃんを伴ってカーテンを開いた。
「ありがとう!早坂さん!るかちゃん!」
「気にしないの!」
閉められたはずのカーテンの上と下から、明るい笑顔が2人覗いてくれた。
お姉ちゃんと妹みたい。
こんなに心配して貰える私は、なんて幸せ者だろう。
間も無く私は、病室に移動となった。

