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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第13章 運命の赤い糸
あの時のパパは本当に怖かった。
王子様の胸ぐらを掴み、ずっと殴り続けて……。
きっと殺そうとしてたのだろう。

「ごめんなさい……私のせいで……」

「いや、それは違う。子供のお前が一番正しい判断をしたんだよ。謝らないでくれ」

「でも……」

「お前が身を挺してくれたから、バカ野郎の俺も今こうやって反省しながら生きていられる」

パパが振り下ろしたあの思い出のティーポット。
王子様を守ろうと必死だった私。
こめかみに受けた直後……。
想い出がどんどん赤く滲んで……。
スイートメモリーは粉々に砕け散ってしまった。
電車で男の人が私を助けてくれたあの日を最後に。
私は王子様との甘い記憶を失ってしまったのだ。
今までそれすらも、無かった事、として生きてきた。

でもあれは本当に……。

「八反田さんが元気で良かったです」

あなただったんですね……。

「……思い出したんだな?」

また逢えたのは偶然?
それとも?

「はい……」

「みのるさんはずっとお前を傷付けたことを後悔してる。全部俺のせいなのに」

「それは違います。お父さんだって自分勝手で……元々私なんて嫌いだから!私の首をしめたことだって……」

――みどりが自殺した。
アレは閉鎖病棟に入った。
何もかも終わりだ。
みゆり。
パパも死ぬ。
だからお前も一緒に……――

「みゆり……?」

一瞬、また声が出せなくなったかと思った。
パパに息の根を止められそうになったとき、苦しくて、辛くて、必死で藻搔いた。
あの日から喉を締め付ける痛みが纏わり付く。

「嫌なこと思い出させてごめんな」

けどそれを理解して和らげてくれるのも八反田さんだ。
お姉ちゃんがいつも喉を擦ってくれていたのを八反田さんはそばで見ていたからかな。
突発的に起こる発作。
酷いと意識を失うこともある。

「八反田さんの手、冷たい」

喉を優しくさすってくれると。
その手でもっとたくさん触れて欲しくなる。

「気持ちいいか?」

「うん……。ねえ、八反田さん?」

「なんだ」

「……好き」

「お前は小さい頃から何も変わらないな」

それで私達……。
見つめ合った時だった。
運命の赤い糸。
それが小指同士繋がっていたならば。
私達はここで身も心も結ばれたのかも。
けれど、違った。
私達の糸は操られていただけ。
この物語の全ての始まりに……。
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