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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第14章 内緒の同棲

「お前今、スケベなこと考えただろう」

焦って振り返る私を見抜いた彼はぶっと吹き出して笑った。

「ぶははっ!日本刀に向かってエロいとか思うやつ初めて見た!なほちゃんだってそんなこと一言もいわなかったのに!ま、それ俺の分身だから、そういう風に見えてもおかしくはないかもな!」

聞けば、これは八反田さんがお父様から譲り受けた、八反田家の家宝らしい。

「ところで寝床だけど、ベッドがないからそこの布団でいいか?あー、それともリビングのソファベッド持ってきてやろうか?」

私は大丈夫と言いたくて、畳んであったお布団をぽんぽんと叩いた。
埃一つ飛ばないのは八反田さんの性格の表れだと思った。

「そうかならいい。それと、寝巻き持ってきたか?」

あっ。

「やっぱりな。ごめんなさいって顔すんな。ちょっと待ってろよ、なんか貸してやるから」

私の顔を見ただけで理解してくれる八反田さんに、ぶんぶんと首を振って扉の前を塞ぐ。
あんまり迷惑は掛けたくないんだもん。

「いいよ、お前お客さんだし。ある程度我が儘言ってくれて。ただ、その、先に言っておくが……寝室には入ってくるなよ」

首を傾げると更に強く言われた。

「一緒に住むからには、ルールだけは守れ」

コクン。

「聞き分けのいい猫で安心したよ」

そう言って畳んでいた布団を敷いてくれた八反田さん。
そうだよね。
さっきまで奥さんがいつも通り住んでいたんだもん。
プライベートルームには入って欲しくはないよね。

「これで良し。ちょっと臭かったらすまん。俺、たまにここで寝てたからさ」

ええ!

「深夜に帰ってくると寝室侵入禁止だったんだ。つよなりを起こすし何より寝てるなほちゃんがキレる」

そ、そうなんですね。
でも私にとっては寧ろご褒美なので大丈夫です!

と言葉に出来ないのが辛い。
お布団にダイブしてみると甘酸っぱい匂いが全身をふんわりと包んでくれた。
くんかくんかと嗅ぎまわる。

「野良猫が急に飼い猫になったからって、調子に乗るんじゃない」

「…………っ!」

はう!
でこぴん痛い……。

「今日はもう寝なさい。つよなりも寝たし。明日も俺は仕事だからな」

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