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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第14章 内緒の同棲
片付けを終えたら眠気が襲ってきた。
完全な睡眠不足だ。
ふと目を瞑っただけなのに、突然ガチャリとドアが開く音がした。
どうやら眠ってしまったみたい。
時間は約束通りの18時ぴったりだった。

「ただいま~!」

元気いっぱいなのはつよなりくんの声。
私が両手を広げてしゃがむと私の胸元にばふんと突撃してきた。
保育園の制服姿が可愛らしい。
帽子をとって頭を撫でてあげた。

「パパがね、おねぇちゃんがおうちにいるからさきにかえってなさいって」

え?

つよなりくんが振り返ったドアは静かに閉まってしまった。
私が慌てて追いかけると、玄関の向こう、エレベーターホールに向かう八反田さんのスーツ姿が見えた。
何か声をかければ、きっと振り返ってくれたのに。
八反田さんは腕時計を気にしながら、エレベーターに乗り込んでしまった。
やっぱり声を出せないのがもどかしい。
早く治さなくちゃいけないけど、どうしたらいいのだろう。

「おねぇちゃんおこえでなくなっちゃったの?」

姿が見えなくなった八反田さんの代わりに、近くに寄ってくれたのはつよなりくんだった。

「おむかえにきてくれたときね、パパがいってたの」

私が頷くと、つよなりくんは私に何度でも書いて消せる磁石のお絵かきボードを貸してくれた。

「これでおはなしできるよね」

私がそれに、ありがとうと書くと、つよなりくんは笑ってくれた。
そうか、この手があった。
話せないのなら文字で伝えればいい。
スマホを手にし八反田さんのメールアドレスに送った。

「またお仕事に向かうんですか?何時ごろ帰ってきますか?」

忙しいのに返事なんてすぐ返してくれるわけない。
そんな気持ちでテーブルに置くとすぐにそれが震えた。
慌てて確認する。

「そう。遅くて終電過ぎかな。つよなりの世話、頼む」

素っ気ないけど、そんな言葉が返ってきた。

「任せてください🐰😊👌✊💗😀」

ありったけの絵文字をくっつけて送り返した。

その後のお返事は無かったけど、つよなりくんがお腹減ったというので私は用意していたカレーライスを温めてあげた。
もちろん、はちみつとりんごたっぷりの甘口カレー。

「おいしー!」

エンジェル様……お気に召して頂けて光栄の至り……。
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