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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第15章 ごっこ遊び
「八反田さん今日は朝ご飯食べないの?」
「いや今日は無理だ!本気でブロック長会議遅れそうだ!」
「じゃ、お弁当に詰めておいたので!食べて下さいね!」
「……え?おー……」
「行ってらっしゃい」
「行ってきます」
だから私は未だ処女のままだ。
それから、つよなりくんを保育園に連れて行くのが、今の私のお仕事の一つ。
最初は先生方に怪訝に思われた私だけど、家政婦のアルバイトをしていると説明すると納得してくれた。
土地柄そういう家庭が多いのかもしれない。
そのあとはビルの地下にある駅中のスーパーに寄って、お夕飯の準備を進める。
お家のお掃除も欠かさない。
頑張っているから今じゃ玄関も窓もピカピカで、八反田さんも喜んでくれている。
それでも時間があまるからインターネットで情報を集めたり買い物をするのが日課だ。
本来はサードシングルが売れに売れているdolceのメンバーであるはずの私は、一人で外に出るなと八反田さんに忠告されているせいもある。
だって入院してなきゃいけないはずの私が、dolceのカフェ、その店長である八反田さんのお家に居候しているなんてことが世間にバレたら?
考えるだけで恐い。
ネットサーフィンは息抜きにどうしても必要だった。
だから何処にも遊びに行けなくてつまらない分、やけに買い物をしてしまう。
ストレスってやつ。
最初はつよなりくんのお洋服を買い漁るところから始まった。
その内普通の服では飽き足らなくなり、八反田さんと親子で着られるもののチョイスが始まった。
特にお揃いのパジャマを選ぶ時は楽しくて。
夕飯と共に畳んでおいておくと八反田さんは黙ってそれを着てくれるんだもん。
眠る前、雑誌を読みながらハーブティーをすする八反田さんと、ホットミルクを飲みながら絵本を読むつよなりくん。
ふたりはいつしか怪獣になったり兎になったりピカピカチュウチュウになったり……。
あぁぁぁ2人とも可愛い!
八反田さんはそれについては特に何も言わず私のお遊びに付き合ってくれていた。