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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第4章 ようこそアイドルカフェdólceへ‼︎
「流川……そんなとこで覗いてなくても期待してるものは何もでないぞ」

舐めた……。

八反田さんは、何事もなかったようにるかちゃんに話しかけた。
一方、廊下の壁に寄り添いながら悔しそうな顔をしたるかちゃんは目を細めていた。

「なんでちゅーの1つもしないんだよくそ八反田!」

私の背中側の角度からじゃ、るかちゃんはきっと今のは見えなかったんだと思う。

「自分の会社のアイドルにそんなことをする訳ないだろう。20も離れてるし……」

今しがたまで向けてくれていた笑顔も忘れたように。
るかちゃんが戻ってくるなり八反田さんは無表情で言いのけた。
私、もしかしてからかわれてるのかな?
昨日の事を、逆手にとられている気だってしてくる。
……私達2人、電話先であんなことしたのに。
八反田さんはこうクールに否定する。

「そもそもメンバーに手を出すなんて、馬鹿げた話だ」

だって、それはつまり。
昨日のあれは……なかったことに……なるってこと……だよね?

「それに俺は……」

……でも、そう、八反田さんは……。
私が俯いたとき、彼の電話がタイミング良く鳴った。

「……あぁ、俺……。ん?あぁ、そう、うん……」

八反田さんは既婚者なんだから。
これが当たり前……。
なんだと思う……。
いつもとは違う口調だった。
会社の人ならお疲れ様です、取引先の人ならお世話になっております、を徹底している八反田さんだから。
きっと、たぶん、これは……。
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