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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第4章 ようこそアイドルカフェdólceへ‼︎
「ねぇ、みゆり。いまさ、二人っきりでなんかされたの?」

「え?」

「……顔赤いぞこの〜!」

るかちゃんは今度は私の隣の席に身を置いて、絡みつくように耳打ちをしてきた。
慌てた私を見たるかちゃんは楽しそうに笑っていた。

「な、なんにもないよぉ!」

否定の言葉を繰り出せば、昨日からの八反田さんとのやりとりを全て誤魔化せた気がして。
それ以上は口を噤んだ私に、るかちゃんは深く椅子に腰掛け言った。

「ねぇ、みゆり。悩んでるなら相談してよ。私、みゆりがdólce辞めるなら、私も辞めるって最初に約束してたじゃん」

「え?」

「別に、dólceじゃなくてもウチらならイケるっしょ!」

「るかちゃん……でも、るかちゃんせっかくdólceの研修頑張ってたのに……」

「そもそも、オーディションの時にみゆりに引き止められなかったら、私、dólceどころか事務所にもいないんだからいいのよ」

るかちゃんは私の手を握った。
私も強く握り返す。

「ぶっちゃけね、それを確認する為に私みゆりんちに来たんだ。ほんとは学校なんてずっと行ってない。事務所で駄々捏ねてたら、八反田に連れてってやるって言われたの」

アイドルになりたかったるかちゃんと、アイドルになりたくなかった私。
あの日のことをふと思い出す。

——流川さん、今のフリー演技、凄く綺麗でした! 私、ファンになっちゃいました! きっと優勝は流川さんですよ!

あの言葉は、今だに私の心の中に続いている。
私がるかちゃんの一番最初のファン。

だから……。
昨日のことを相談したほうがいいのかな……って、凄く心が痛んだ。
るかちゃんは、きっとびっくりするだろうな。
もしかして八反田さんに殴りかかるかも。
なに考えてるのって。
それでるかちゃんは皆に言いふらすかも。
みゆりに変なことしたって。

るかちゃんのその気持ちは嬉しい。
私を守ってくれる大事な親友への想いは、八反田さんへの想いとはまた別の、大切な気持ち。

でも、そしたら八反田さんはどうなるんだろう。
事務所にバレたら、八反田さんは辞めさせられちゃうのかな……?
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