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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第4章 ようこそアイドルカフェdólceへ‼︎
「さ、さ、さぁ行くよ、るかちゃん、ほ、ほらー」
「ぎゃあー!やだやだー!」
例えるならでっかいたぬきに連れていかれる、リスみたい。
首根っこを掴まれたるかちゃんはそのまま車に押し込まれ、城田さんとマナー教室に行ってしまった。
「るかちゃんまたねー!」
「うわーん!みゆりー!」
その後、暫くもしないで、
《でもみゆりが辞めなくてよかったよ!
あとは2人でよろしくやんな囧》
LIMEにそう送られてきた。
返事を出そうと思ったところで、あれからずっと足を組んだまま書類に目を通しっぱなしだった八反田さんが顔を上げた。
「残ったピザ、食べていいですか?」
昨日から、何も食べていなくて。
八反田さんはそう続けた。
どうぞという前に、気だるそうにしてピザを手にした彼に、私はまた魅入ってしまった。
三角に切れたピザの先端。
それを口に入れる仕草も。
伸びたチーズに絡み付く舌も。
てかついた長い指先も。
やっぱり全部……えっちに見えてくるから。
これは私を挑発してるんじゃ……。
そう深読みしてしまうくらい。
……官能的。
みんな気付いてないけれど。
この人の素敵なところは決して顔なんかではなく。
滲み出るいやらしさなんだって気が付いた。
好きだからこそ発見した。
透けるみたいな白い肌と、少年のような身体つき。
細くて、でも程よく筋肉のついた躰。
骨張ってばかりいるかと思える腕は、ところどころ血管が浮き出ていて男らしさもある。
最近ではジェンダーレスって言うんだっけ?
華奢で、中性的な艶っぽさが予め備わっているんだって、私は知っている。
でも八反田さんはそんなはやり言葉で括らなくても、充分に魅力的なの。
私だけが知っているんだと思いたい。
この人の最大の格好良さは、心にあるんだって。