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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第4章 ようこそアイドルカフェdólceへ‼︎
「事務所の契約解除手続きの書類です。もう嫌だと言われたら、即刻、判を押して戴く予定でした」

八反田さんの身体に寄り添ったまま、私は書類を覗き込んだ。

「辞めるだなんて思っていません」

「そのようですね」

「八反田さんと会えなくなるの、やだ!」

「ははっ、だからアイドル続けるんですか?」

「それもあります!さっき言ったように、るかちゃんともっと頑張りたいし、それに、研修も最初はできなかったけど、うまく出来るようになったら楽しかったし……!」

だから八反田さんなら、仕事の楽しさをもっと教えてくれるような気がして。
そこまで饒舌ではない私は、ただ八反田さんに寄り添う他、何も思い浮かばなかったけれど。
この想いが少しは伝わればいいのに。

「あのですね、正直、私はあなたに嫌われていると思っていました……」

席を立っていた八反田さんは私を見下ろしていた。
もうさっきと立場が逆転している。

「こんな風に慕ってくれるのは、嬉しい限りです」

あ、笑ってくれた……。
更に八反田さんは私の頭をポンポンしてくれた。
嬉しすぎて死にそう‼︎

「ですが、こうやって興味本意で男を誘うのはやめなさい」

だけどそんな私の気持ちをすぐに吹っ飛ばしてしまうのも、八反田さんらしい。

「きょ、興味本位で誘っている訳では……」

「誘っているつもりなく、あんなことをしたんですか?より、駄目じゃないですか……」

う……。
うまく伝わらない上うまい言い訳が見つからない……。
でも、こんなのっておかしい。
だって……。
私だって……。
昨日のことがなかったら今みたいなこと……あんな、八反田さんをその気にさせようなんて考え付いたりしなかった。

「電話のこと……本当に何も知らないんですか?」

「知らないも何も、言っていることの意味すら分かりません」

八反田さんは、何かあったのですかと付け足した。
ど、どう説明しよう。
だって……私……相手が八反田さんじゃないとしたら……。
とんでもないことを仕出かしてしまったんじゃ……。

「えっと……ちょっと……言いにくいので……」

八反田さんの表情が、明らかに曇った。
そりゃあ、ここまで話しておきながら秘密にされたら誰でも怪訝に思うよね……。
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