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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第4章 ようこそアイドルカフェdólceへ‼︎
「食べれないものありますか?」
「ないですよ。ハンバーグの上のパイナップルとか以外は」
「あ、私もそれきらーい」
笑って振り返ると、八反田さんも笑っていた。
笑顔すてき……。
思いながら、八反田さんに出したお茶をテーブルからソファのあるダイニングの方へ移動させた。
「こっちならテレビありますし、寛いでいて下さって大丈夫ですよ」
言いながら八反田さんのジャケットを半ば強引に預かった。
ハンガーに掛けて、荷物もまとめておく。
こうしていると、八反田さんのお嫁さんになれたみたいでドキドキしちゃうなぁ。
「なかなか手際がいいんですね」
感心したように八反田さんが褒めてくれた。
「お家のこと、小さい頃から任されてたので……」
「なるほど」
八反田さんは多分、それだけで私の過ごしてきた半生を理解したんだと思う。
事務所契約の書類には当然家族構成も書かされたし、dolceのオーディションの審査メンバーだった八反田さんならそれに目を通しているはずだし尚更だ。
八反田さんは何も言わず、黙ってソファの方に移動した。
さて。
あまり時間はかけられない。
冷蔵庫のありもので、私は中身を決めた。
昨日、お父さん帰ってきてたんだ。
余り物の枝豆を見て、なら病院の身元引き受けくらい来てくれたらいいのに……と思ったけれど、今はそれ以上考えるのをやめた。
八反田さんとの貴重な時間を壊したくなかった。
それから、フライパンと包丁、まな板を用意して。
鶏肉、人参、玉葱、枝豆、レンチンのごはん、中身はそんな感じの素朴なオムライスが完成した。
玉子を包むのに失敗した方は、私が食べてお茶を濁そうと思う。
最後にお皿に盛り付けて。
さてここからが本番だ。
ケチャップでハートをたくさん飛ばしてみる。
お皿の方にもたーくさん。
❤︎ふみすけさん❤︎
❤︎だいすき❤︎
「うおーハートすげぇなー!」
私のメッセージと散りばめられたハートを見た八反田さんはけたけたと笑っていた。
はぅ……気合い入れてやり過ぎた……。