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いろごとプリズム
第2章 悠真の部屋で
「……あいつさ、オレに言ったんだ。名古屋に行ってる間、サーヤを家に入れるなって」
「えっ……!?」
「知るか、って答えたよ。もともとお前とはこの部屋で二人で過ごすことが多くて、でも何も起きてないだろ?お前オレのこと弟ぐらいにしか思ってねーんだろうし」
「……うん」
どういうこと?何を言っているの……?という思いだった。サーヤはショウマに何も言われてきていない。
「兄貴はお前に嫌われたくないからって何もウルサイこと言わないようにしてるみたいだけどさ、オレはすっげー疑われてんの、いつも。お前と、その……、エッチしてたりするんじゃないか、って」

恥ずかしそうに頬を染めながらそう言った悠真を見て、サーヤはドキッとした。
「……そしたらさ。こないだ、あいつが名古屋行く前。ご丁寧に報告してくれやがったんだ」
「な、何を……?」
「サーヤとセックスした、ってさ。処女だった、って。嬉しそうにな」
全身が熱くなる。悠真にこんなことを知られていたなんて、恥ずかしくてたまらない。
「疑ってごめん、だって。バッカじゃねーのあいつ」
「何それ……私何も知らなくて……」
動揺と赤面がおさまらない。
「それでもだよ、もう部屋に入れるな、だと。自分に自信ねーんだな、あいつ。どうせ童貞だったんだろ?ははっ」
「……でも、今日こうして、何も知らずに私来ちゃったね……良かったのかな」

「いいんだ。オレはあいつの申し出を断ってるし、何しろオレがサーヤにここにいて欲しい」

「えっ……!?」
サーヤは耳を疑った。オレが、ここに、いて欲しい……?
「お前がオレのこと男として見てないのはわかってる。兄貴の彼女だし。けどオレは……、フツーに男だし、お前のことずっと……、一人の女として……」
「え、ちょ、ちょっと待って悠真!!」
「バーカ、ちゃんと言わせろ!」

悠真はサーヤの正面に来て、腕を掴み近付いた。

「……オレはずっとサーヤに惚れてる」

唇がそっと重なり、すぐに離れる。

「ゆう……まっ……!?」
サーヤの脳内はパニックだ。予期せぬ告白、そして予期せぬキス――。
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