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真壁君は喋らない
第1章 真壁君は喋らない
 
 みや、の二文字に、真壁は顔を曇らせる。そして着物をその場に畳んで置くと、布団に逃げ込んでしまった。

「……お前も、辛い恋をしているのだな」

 聞いているかは分からないが、私は山となった掛布に向かい声を掛ける。

「私は、さぎり。いつか……お前の口からこの名を聞いてみたい」

 やはり、この男からは離れがたい。鉄壁の奥にあるその心が、どうしても見てみたい。そしてその壁を壊すのが、他でもない自分なら――







「おっ、ミニ山! そんな暗い顔して、どうしたのっ!?」

「ミニ山言うな! あたしは小宮山! はいリピートアフターミー、こーみーやーまっ!」

 落ち込んだ気分を誤魔化そうと立ち寄ったファストフード店で出会ったのは、悪友の祐介だった。明るくていい奴だけど、悪気なく人のコンプレックスをネタにしてくるから困る。ミニ山だのチビ山だの、全く失礼にも程があるっての。

「なんだよ荒れてんなぁヤマ。彼氏に振られたか?」

 最終的に小宮山の『コミ』も抜けてただの『ヤマ』になったあたしは、祐介の見当違いな推測に顔を歪める。

「彼氏? なにそれ」

「だって、マリコとエミリが言ってたぜ。ヤマが男と一緒に服選んでたって」

「どこで見てたんだろ、もー……違うっての、それは真壁がプレゼント買うって言うから、付き合ってただけ」
 
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