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真壁君は喋らない
第1章 真壁君は喋らない
「『子』鬼ってなんだそりゃーっ!!」
あたしは真壁ガードの中、幽霊を指差し吼える。
「これでもあたしは大人だし、真壁より年上だし! 同年代で精神的にあたしより大人なヤツなんて、そうそういないしっ!」
『鬼である事は認めるのだな! それ見た事か、やはり邪悪! 今すぐ真壁から離れろ、そして死ね!』
「離れるのはそっちの方だー! 真壁を誘惑して、あの世に引きずり込むつもりかもしれないけど、真壁はあんたなんてちっとも気にかけてないんだから!」
『黙れ、子鬼め!! 真壁を誘惑し黄泉へ引きずり込もうとしているのは、そちらだろう!』
「あたしが真壁をどう誘惑するっての!? このペチャパイに引っかかる男なんて、どこを探したっていなかったっての!」
『な……き、きゃああっ!』
あたしは、恐怖でネジが外れていた。混乱のあまりシャツを捲って、ブラジャー丸出しで幽霊に突進していく。すると幽霊は戸惑い、慌てて消えていった。
「ペチャパイなめんなー、セクシー幽霊のバカー!!」
あたしが空中に吠えていると、今度は温かい手の感触が肩に触れる。振り返ると、真壁が唇を尖らせて立っていた。